8bit風レトロスタイルの2D横スクロールアクションBloodstained: Curse of the Moon 2をメインエピソード全編クリアしたので感想を含む10項目のレビュー。
シリーズは初代Bloodstained: Curse of the MoonとBloodstained Ritual of the Nightをプレイ済み。悪魔城ドラキュラシリーズの開発スタッフであった五十嵐考司(通称IGA)氏が開発した作品であることで有名で、Curse of the Moonはステージクリア型の元祖悪魔城ドラキュラ、Ritual of the Nightは探索要素を加えた月下の夜想曲(いわゆるメトロイドヴァニア)の系譜にあたる作品となっている。
もはや新鮮さすら感じるようになってきた8bit風デザインながらきめ細かに作り込まれたグラフィック、キャラクターやステージのデザインはとても魅力的だ。
初代のボスではあるけれど、個人的に初代3面とかラスボスの見た目とそのデザインに沿った戦い方はよく覚えてる。
最大4人の仲間をいつでも切り替えることができる。
仲間によって攻撃方法だけでなくジャンプ力が高いキャラクター、壁蹴りできるキャラクター、空中で一定時間ホバリングしたり水平移動できるキャラクター等がいるので探索するためにも切り替えていくことになる。
HPはキャラクターごとに別枠で誰か一人でもHPが0になるか落下死するとミスになりチェックポイントからやり直しになるけど、ミスったキャラクターが使用不能になるだけで残機は減らずに続行する。全滅したときに残機が1つ減って全員復活となるのでゲームオーバーになるまでは結構ミスできる。
とは言ってみたものの、特定のキャラクターだけショートカットできるポイントや倒しやすい敵が存在したり、ボス戦になるとHPがピンチになったらHP満タンのキャラクターと切り替える戦法がかなり有効だから仲間が欠けることによる難易度の影響はかなり大きい。
一人欠けたらわざと全滅させて全員復活からやり直しする戦略は珍しくない。開発側もそれを把握しているであろう初代にはなかった全滅できるリトライコマンドが2から追加されている。
まさにあの悪魔城ドラキュラの操作感。
飛んでしまったら空中ではもう自由に動けず着地点を調整することができない不自由さは特徴的で今どきのレトロ調インディーズゲームでもなかなか味わえないものだ。
落下死ポイントが随所にあるステージ設計でジャンプの精度は攻略の要になる。恐らくこのゲームの死因の9割は落下死である。
これも悪魔城ドラキュラと同様の挙動で、ダメージを受けると後ろに跳ね上がってノックバックする。
ノックバックした先に床がなく落下死することが多々あり、ゲーム側もそれを狙っているであろう敵の配置や攻撃をしてくるので9割落下死は冗談じゃない。
ノックバック落下死にずっと苦しめられる。
今作は3段階の難易度設定が用意されている。
【カジュアル】残機無制限、被ダメージ時ノックバックなし
【ベテラン】残機制限あり、被ダメージ時ノックバックあり
【レジェンドハンター】画面切り替えで敵復活、仲間が一人でも死ぬと全滅扱い
デフォルト難易度はベテラン。残機がなくなるとゲームオーバーでコンテニュー時はステージ開始地点からやり直しになる。
上項目に書いた通りノックバックの有無は落下死の頻度に大きく影響し、落下死が頻発すると本当にイライラすると思うから思い切ってカジュアルにするのもあり。難易度は途中からでも変更可能でカジュアルにするデメリットはない。
最高難易度のレジェンドハンターは初代にはなく2から追加。よりレトロゲームに寄せた高難易度仕様になってる。
初代とRitual of the Nightの話がかなりおぼろげなこともあってストーリーは雰囲気で追っていたんだけども、各エンディングやエピソード間の繋ぎ、ラストの○○を斬る演出などは熱い見ごたえのあるものだっと思う。
※ゲームの進行に関するネタバレに少し触れます
ベースとなるのは8ステージだが、最終エンディングまでには周回プレイすることになる。
ただし2周目以降に全く同じプレイを強要されるわけでなく、1ステージ目から仲間が加入していたり、1周目とは違う仲間が加わったりして攻略に変化がある。同じステージでも特定の仲間を運用することで行ける分岐や入手できるアイテムがあるから同じステージの繰り返しにならないようになっている。
シリーズ特徴であるボスのHPを0にしたあとに繰り出してくるラストアタック(=最後っ屁)は1周目だと仲間が加入する序盤3ステージだけラストアタックを仲間が乱入して止めてくれる演出が入るけど2周目からは自力で挑むことになるといった変化点がある。
これは終盤の一部分ではあるけれど唐突にシューティングゲームがはじまって衝撃的だった。なんか味変に入れたかったのかな?
シューティングゲームは多少なり経験があるから一発突破できたけども、ステージがそこそこ長くてゲームオーバーで最初からだったとしたら不慣れな人は苦労するかも?
Sアイコンのスピードアップアイテムは取りすぎると操作が難しくなるしミスってもパワーアップ状態は維持されるからコントロールできるスピードに抑えるのがいいね。
ファイナルエピソードをクリアした時点で10時間、分岐エンディングがあるようだしメインエピソードクリア後のおまけモードやボスラッシュもあるから隅々まで一通りプレイすると20時間くらいだろうか。
操作に慣れるまでの時間もあって1周目に3時間かかってしまったけど、2周目からは慣れとショートカットルートを使ったりして攻略が短縮されたからメインクリアまでの時間トータルは初代とそう変わらなかったと思う。
Steam価格で初代980円、今作2が1480円。セールで頻繁に-50%になっている。
悪魔城ドラキュラみたいなゲームをやりたかったという期待に応えてくれるレトロ調アクションだった。良い意味でベースは初代のまんまでリトライ機能やボスのHP可視化などアップグレードされている部分もある。
初代をプレイしたときの前ブログ記事を見返すと1周目は90分でクリアしていたから、1周目に3時間かかった今作は難易度が上がってるかステージが長くなってるのかもしれないね。前述の通り2周目からは短縮できたけども。
ボスのデザインは相変わらず良いんだけども今作のラスボスに関しては初代の方がよかったなと思うのが正直なところ。初代グレモリーのデザインと攻略できたときの爽快感を含めて良すぎたのはあるけども、表ラスボスはハエで真ラスボスは顔無しの悪魔? とデザイン的にあと一歩足らない印象で攻略の爽快感はカッコよく避けられたって感じがしなくて個人的な感性になってしまうけど物足りなかったかな。
過去作をプレイしてから間が空いてしまっていたせいで感じる部分が薄くなってしまったけど、初代の仲間やボス、Ritual of the Nightの登場人物が現れるのはシリーズ集大成の雰囲気があってよかったね。