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高評価の前作と比べても遜色なし!:HADES II 製品版レビュー感想

まえがき

前作は十分に楽しんだけど、アーリーアクセス版はあえて手を出さずに製品版として完成したタイミングを待っていたHADES IIがついにリリースされ早速プレイしたのでレビューをしたい。

前作の経験があるからある程度はスムーズに進められるだろうと思っていたけど、序盤から手応えのある難易度に圧倒された。新主人公メリノエの操作感、戦闘バランス、そして戦略性のある新システムは新鮮さもありながらしっかり続編だった。

そんなHADES IIの製品版を初回クリアまでプレイした約10時間分の感想を、前作との繋がりやシステムの変化も見ながらレビューしよう。

レビュー

ストーリー概要

冥界の王ハデスの娘: メリノエが行方不明になった家族を救うため、時の巨神クロノスを打倒するギリシャ神話をベースにした物語。

ゲーム単体で十分楽しめるものの、神々との関係性やキャラ同士の掛け合いも本作の特徴といえるから前作既プレイの方がより楽しめると思う。

ゲームの特徴

2Dクォータービューのアクションゲームで、1ゲーム終わるたびに取得した功徳(能力強化ビルド要素)やアイテムがリセットされつつ、持ち帰った素材で永続強化を得る要素もあるローグライトなゲーム性になっている。

基本的にエリア内の敵を殲滅するたびに功徳を得て次のエリアへ進む。これを繰り返しながら最深部にいるボス討伐を目指していく。

・基本アクション(攻撃)
攻撃手段は手数の多い通常攻撃、武器の個性がある特殊攻撃、敵の足止めや範囲攻撃になる魔陣の3種。それぞれにタメ攻撃(Ω攻撃)があり、これは新要素のマナを消費する。

前作の弾数制限付きの遠距離攻撃”魔弾”から、その場に魔法陣を設置して範囲内にいる敵を足止めする妨害手段の”魔陣”に変わった。
通常魔陣にダメージはないが、Ω魔陣にするとダメージを与えられる。

被弾を抑えるため遠隔攻撃でチクチクしたくなるゲーム性だけど、魔陣で足止めすることで通常攻撃を与えるチャンスを作りやすくなっている。魔陣で足止めすることを前提にしたような群れで襲ってくる敵や突進してくる敵がいるから、魔陣を使いこなすことは攻略の重要なカギになるはずだ。
魔陣は武器で変化しない共通性能だけど、魔陣関連の功徳によって攻撃性と防御性に差のある追加効果が付与されるため、使い方は戦略性と好みで分かれる点。

武器ごとにΩ通常攻撃とΩ特殊攻撃は性能が異なり、Ω魔陣は共通性能。
功徳効果は通常、特殊、魔陣、それぞれのΩ攻撃に効果のあるものと分かれているから、どの強化を伸ばしてどれを主力攻撃手段としていくかはビルド構築力が試される。

・基本アクション(防御)
防御手段は一瞬無敵で高速移動するダッシュ、そしてダッシュボタンを押し続けるとそのまま走る疾走が新要素。

個人的に前作と最も大きな変化点と感じたのは疾走で、功徳関連がダッシュから疾走になったことが大きい。
前作はダッシュで回避しつつ、ダッシュ攻撃の功徳効果で攻撃性能も高い攻防一体の行動だったのが、疾走に移行するまで功徳が発動しないため以前ほど連打ができないし、功徳の攻撃性も控えめになっている印象。
前作ではビルド次第で延々とダッシュ攻撃を繰り返すだけで突破できる場面があり、それはそれで爽快だったけど操作が単調で指が疲れるほどだったから、今作でダッシュが防御寄りになったのは戦略の幅を高めるのと指に優しい設計になったと歓迎すべき変化なのかもしれない。

・ビルド要素
前作と同じく、特性の異なる神々から得られる功徳を組み合わせたビルド要素。
ルート選択時にどの神から功徳を得るかの選択と、功徳獲得時に3つある候補からレアリティやスロット、属性を見て1つを選択する。

さらに所持している功徳、持ち込んだ武器と永続強化との相性も考慮する必要もあって常にビルドを迷わせてくれるゲームバランスが奥深さとリプレイ性を高めている。

永続強化要素は遺灰の祭壇。
素材を消費して魔札を解放するとセット可能で効果を得られる。魔札にはそれぞれコストが設定されていて、コスト上限(霊智)までしか魔札をセットできない。

霊智も素材消費で上限アップできるものの、特定の組み合わせでのみ発動する魔札もあるからプレイスタイルによるところがある。

・やり込み難易度調整
前作の懲罰の盟約にあたるやり込み要素は今回もあり、この難易度調整システムは初回クリア後に解放される。
初回クリアでも中々苦労してやれたのに、ここから敵を強くしたり縛りを設けるってどうなるの!?って感じだけど、永続強化の解放と併せてずっと挑戦してたら何故かやれるようになって沼にハマっていくんだよね。

・尽きない掛け合い
周回するゲームなのに謎の超テキスト量なのは前作同様。
協力してくれる神々や各ボスとは何度も出会って会話するんだけど、出会うたびに違う内容でいつループするんだってなる。

あとがき

前作の経験から「この功徳や組み合わせは強そう」ってのが実際使ってみたらそうでもなかったり、「弱そうだけどダメもとで」ってのが強かったりして、しっかり続編ながらビルドの奥深さは新たな経験と知識が必要になっていた。
特にダッシュの仕様変更やマナ管理が新たなハードルになってて前作経験済みでも難しいと感じる初期体験を味わえた。

自分の初回クリアはHPもりもりビルドで、ダメージソースはヘパイストスの爆風とヘスティアの赤熱の炭火。爆風はリチャージが長いけど、クロノス戦はどうしても回避に専念する時間があるから固定ダメージの瞬間的な高さが役立った。

結果的に2回分の蘇生が残ったけど普通のHPだったらギリギリの戦いになっていたと思う。

最深部まで体感1時間はやってるのに実際は約30分~40分という濃密な体験で、次はもっと上手くやれるはずと再スタートしてしまう中毒性があるのは前作同様。あれだけ評価の高かった前作というハードルをしっかり飛び越えてきたのは流石だ。

もちろん不満点がないわけでもなく、3ステージ目が無駄に広く、功徳の配置が散漫でマップ構造は意図が読みづらい。他に、Ω通常攻撃は溜まったら勝手に発動するのにΩ特殊攻撃はボタン離さないと発動しないから統一してほしいなど思うところはある。

とはいえ、それを加味しても十分に楽しく本当に問題のあるところは修正してくれるだろうという前作からの信頼もあるから、これからのアップデートに期待しつつ真エンドクリアを目指していこう。

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