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・ハーヴェステラ HARVESTELLA | SQUARE ENIX
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農作業プレイを中心に空いた時間でストーリーを少しずつ進めるくらいの気持ちではじめたのだけど、ゲームとしてはかなりシナリオベースのファンタジーRPG寄り。
農作業で経験値を得たりキャラクターが強くなることはなく、あくまで金策と回復アイテム収集の手段といった扱い。
稼いだお金で武器を強化できるけど必要なお金はそれほどでもなくて、それよりも素材が必要になる。
強化するごとにストーリー進行に伴って手に入る上位素材が要求されていくからどちらにせよストーリーを進めないと武器は強化できない。
食事や回復アイテムは店売りがなくて料理や作物の加工のみで手に入るのは不便に感じそうだと心配したけど、やってみるとある程度は農作業を必須にする良い塩梅だった。
農作業要素に合わせた月日の流れ、四季の変化などRPGと珍しい組み合わせは新鮮だったけど、農作業をする拠点以外では四季による変化点がないから上手く生かせてはいなさそうだ。
季節によって採取できるアイテムが変わったり、住民との会話内容や行動に変化があってほしかった。
クリア後はやりたかった農作業に集中。
稼いだお金と集めた素材で施設を揃えて、見栄えを気にしつつスムーズに種まきと収穫ができる配置を練ったり試行錯誤するのはやっぱり楽しい。
種まきと収穫が範囲技で実行できたり収納箱が四次元ボックスで荷物整理が楽、あと店に休日がないのとか某牧場運営ゲームと比べたら結構ストレスフリーで農作業ができる。
体験版で感じた防御や回避アクションのない、攻撃とスキルを連打するだけの戦闘は最後まで続いた。
予兆攻撃の範囲外に出るためにダッシュしたり、一瞬素早く移動できる『ステップ』で敵の攻撃を避けられるものの確実性はなくて、回復アイテムがノーモーションで連打できるのも相まって攻撃とスキル連打をゴリ押しした方が強くなってしまっている。
スタミナの仕様も不満点がある。
食事をしないとスタミナの自然回復をしないというのは食事を必須にする絶妙な設定だと思うけど、それにしてもスタミナの自然回復の速度が遅すぎる。
戦闘中の攻撃、スキル、ダッシュ行動のそれぞれのスタミナ消費量は大したことがなくて自然回復と食事の即時回復で困ることはない。でも探索や農作業の移動でダッシュし続けているとスタミナの自然回復が全然足りてない。
移動や農作業のスタミナ回復に食事をしてしまうと胃袋ゲージがすぐいっぱいになって、いざ戦闘ってときに食事が出来なくなるし、移動だけで食事を何個も消費するのはあまりにもったいなさすぎる。
結果、スタミナは戦闘中ではあってないようなものになり、探索や農作業の行動に制限をかけるただのストレス要素になっている。
一部の食事にあるスタミナ回復間隔アップ効果がもっといろんな食事に付与されていたり、胃袋ゲージ残量によって自然回復が早くなるとか補正がほしかった。
ちなみに、自然回復だけでスタミナ0から全快するまで3分以上かかる。
全12種類のジョブがあるけど、新しいジョブを手に入れて戦闘内容に変化があるかといえばほぼない。
ジョブチェンジによる一番の違いは属性が変わることで、攻撃ゴリ押しする戦法は変わらない。
スキルの使用間隔が長いからジョブチェンジ回しをさせたいのかと思ったけど、ジョブチェンジの使用間隔も長くて通常攻撃しかできない時間がとにかく長い。
第三話Cで手に入るジョブ『ピルグリム』が遠隔&範囲攻撃の使いやすいジョブでやっと良さげなジョブがきたなと思えたけど、逆にこれだけでよくなってしまい他ジョブはボス戦で弱点を付くためだけのサブジョブになってしまった。
全クリ後に隠しジョブを手に入れてちょっと面白そうな感触はあったけど、戦闘面のやり込み要素はたぶんカレノイド深層くらいしかなく、スキル開放に必要なJPを1から貯める気にはとてもなれなかった。
序盤の目的「世界のエネルギーを担うシーズライトに起こっている異変を調査する」って辺りからどんどんボリュームが大きくなって宇宙にまで行ったり、実はこの星は〇〇でしたとか、人類の存続を賭けた戦いにまで発展していく。
それだけならファンタジーRPGらしいが、毎日きちんと家に帰って農作業をしていると世界の危機を前に何をやってるんだろうと感じる。
その辺はゲームのお約束ではあるけど月日の流れ、四季があるせいで余計に違和感が際立っている。
しばらく放置されるヒロインの未来人設定とか、各地に現れるオーバーテクノロジーな施設の伏線がきっちり回収されていくのは上手くできてたと思うけど、情報を小出しにし過ぎて終盤は流石にダレてきた。プロローグで死季に出会った謎の少女が物語の鍵を握ってるのはそうなんだけど、本当に最後の最後しかロクに出てこなくてストーリーに絡んでこない。風呂敷広げ過ぎて出すタイミングを見失ってたように見える。
実際、締めに向かう終盤は駆け足気味で、ラスボスの人類が星の終わりを願っているって理屈はよくわからなかった。リ・ガイアの人間は魔族に管理されて人間同士の醜い争いとかしてこなかったはずなんだけどね。
記憶喪失の主人公が結局何者だったのか判明するのはエピローグで、アリアのようにガイアとリ・ガイア双方の立場で判断できる人間だったってことだけど、それを全てが終わったあとで知らされてもって気になるし、そもそも主人公はガイア側の記憶がないのだからリ・ガイア側の立場でしか判断できないように思う。
盛り上がりポイントであるヒロイン(?)のアリアと敵対する展開は一見熱い。ただ、アリアとシナリオ中それほど親密になるイベントはないし、他のキャラクターと比べてここまで個別ストーリーがないのもあってヒロインらしさは薄い。
再び仲間に戻ってからようやく個別ストーリーが解放されるけど感情移入するには遅いんじゃないだろうか。
『海を見たい娘』とか『雪を積む女』などの連続クエストは続きが気になったし終わり方もよかったね。仲間の個別ストーリーもメインでは足りなかったキャラクターシナリオの補完になっていた。
それでも要望を出すなら個別シナリオくらいは会話にボイスあってほしかったかな。
戦闘中か日常ですれ違ったときくらいしかボイスありで喋らないのだけど、シナリオ中のテキスト会話だけのキャラクターイメージとボイスで喋ったときのギャップが結構ある。特にディアンサスは渋いおっさんのイメージだったのに急に喋ったと思ったら女声で誰だお前!?ってなる。
壮大すぎるファンタジーRPGと農作業の組み合わせはあまり上手く出来ていなかったけど、ファンタージRPGと農作業運営を別々でみたらそれなりにできてる。
たぶん楽しくなるまでに時間のかかるゲームなんだと思うけど、これから遊ぶ人がいるのならじっくりのんびりと遊んでほしい。