初代PlayStation時代の3Dデザインを再現したRPGLight Fairytale Episode 1(ライト・フェアリーテール エピソード1)の10項目レビュー。
ファンタジーとサイバーパンクを融合させた世界観の地下世界、世界を支配する帝国と抵抗する反乱軍という王道設定。初代PlayStation時代の雰囲気があるグラフィックとBGM、ターン制RPGベースのゲームデザインはFinalFantasy VII(初代PS版)の影響を多分に受けているであろうことをひしひしと感じる。
攻撃の基本は通常攻撃、HPが減ったら回復アイテム、ゲージが溜まったら激怒コマンド、オーブ(魔法)はMPに対して手軽には使えないという感じであまり選択肢がなく単調になってしまっている。
行動を選んでから実行されるまでラグがあり、表示されている行動順に注意しながら行動を決めるバトルシステムはFinalFantasy Xに似ているが、今作は味方が二人パーティで前述の通り基本的な行動は通常攻撃だし、確認できる行動順が3回先しかないのであまり意味がない。
レベルが上がってコマンドの選択肢が増えてきたら変わってくるかもしれないけど、ランダムエンカウントの戦闘はなく、そして発生する戦闘は少ない。
Episode 1はLv3でクリアしちゃったし、Lv1つで劇的に強くなるかといえばそんなこともない。
ボタン1つでいつでも倍速にできる。倍速は移動、バトル、イベント中すべてに適用される完全早送りモード。
単調な戦闘のストレスはこれでかなり緩和されている。別キャラクター視点でプレイできる2周目もこれのおかげでプレイしやすい。
現パートの進捗が何パーセントかの表示や迷ったときにゲーム側からヒントをもらえる機能があってスムーズに遊べる。
ただ進捗状況はどちらかというと実績要素で、ゲーム進行上やらなくてもいいことをやらないと100%にならない。進捗状況の記録は残るし実績埋めを楽しめる人はいいかもしれない。
人の位置や進行できるポイントとその先のエリア名など情報を表示してくれるARゴーグルのおかげで探索しやすい。便利過ぎて常にARゴーグルを構えていないと見逃しがないか不安になるくらい。
このEpisode 1は2~3時間で終わる。
クリア後に別キャラクター視点でプレイできるけど、大体主人公と行動を共にしているのでほぼ内容に差はない。きっと倍速でプレイすることになるだろう。
My Nintendo Storeの説明文によると各エピソード約2~3時間(全実績制覇に4~6時間)のボリュームとあるから以降のエピソードも同等とみえる。
あんまり値段に対してどうのこうのとか言いたくはないがリプレイ性の薄いRPGで1000円3時間+αは割高に感じてしまうね。もちろん、それで満足することはあるんだけども。
Episode 1は大まかな世界観を知ることが話の中心だったのかもしれないけど、起こった出来事といえば
・キッド(友達)が帝国に捕まった
・反乱軍に入ることを決めた(まだ決めただけで入ってない)
・帝国に追い詰められ崖から飛び降りた
これくらいのもので物語としてはまだ何も始まってない。
物語の鍵を握るであろう謎の少女はオープニングにチラッと出ただけだし、Episode 1というよりプロローグだと言われた方が納得できる。
このEpisode 1が2019年、Episode 2が2021年、Episode 3が2023年中に配信される予定と2年間隔でエピソードを更新している。
Episode 1のエンディングムービーでは目指している地上が出てきて、さらにそびえ立つ塔や飛空艇らしき乗り物が登場している。つまり地上に出て終わりというわけでなく、地上に出てからも物語が続くと思われる。しかし、Episode 3のトレーラーを見る限りまだ地下世界にいるからまだまだ終わりそうにない。
Episode 1だから短いというのは置いておいても、限られた戦闘、装備の更新は終盤にほんの一部だけ、戦闘システムの要になるであろうオーブ(魔法)の更新もないに等しいと戦闘要素は薄い。
お金の使い道はほぼ終盤だけで、最後のボス戦前に回復アイテム補充と装備の更新をするだけだ。
いろいろ物足りない部分が多く「まだEpisode 1だから・・・」で済ますことはできなくはないけど、Episode 1で惹かれるものを与えてくれなければ続きは手が出しづらいものだ。
フルリリースされていたらその後の評価で判断もできるけど、現状Episode 1をプレイしただけでは未完成で未完結だと感じるのが正直なところで、今の2年間隔の更新ペースだとやっぱり判断は難しい。
厳しめな総評になってしまったけども、初代PlayStation辺りのグラフィックデザインや雰囲気をしっかり再現したものは珍しく、あの頃の日本式RPGを遊びたいという期待には応えてくれている。
現代でドット絵デザインを再現すると如何にもなレトロデザインに魅力を感じることはあるけども、この頃のグラフィックを現代で再現してもただの解像度の低い見た目になってしまいかねないのに、そこはちゃんと見れるように出来ているのはしっかり作り込まれた結果だと思える。