ゲームの一時代を築いてきたグラフィック表現たち

限られた色数で豊かなデザインを目指したピクセルアート時代、制約の中でリアルを目指した初期3Dグラフィックのローポリ時代、技術を結集し高解像度でリアルな体験に近づいた現代グラフィックとゲームの進化はグラフィックの進化でもあった。
かつてPlayStation2の頃から新世代機が登場するたびに「まるで映画みたい!」という表現が決まり文句のように使われてきたけど、今はその言葉が現実になったと言っても過言ではなくなった。
近年のゲームグラフィックは映画並みのクオリティを持ち、まさに現実以上のリアルを目指している。

ファイナルファンタジーの進化

もはや現実以上の何かになろうとしている高品質なゲームグラフィックはこれからも注目される要素だけど、古典的なドット絵もまたゲーム独自の表現方法として残り愛されている。
ドット絵は昨今インディーズゲームでよく用いられる印象だけど、大手メーカーも『オクトパストラベラー』のようにHD-2Dという現代技術を取り入れ、新たな形でドット絵の魅力を引き出している。

オクトパストラベラー

ゲームの歴史で一時代を築いてきたグラフィックはどれもが芸術だ。進化して形を変えてきても過去タイトルのグラフィックも味のあるものとして今なお美しいと思える。しかし悲しいかな、確かに一時代を築きゲームの進化に貢献した表現方法であるはずのカクカクのローポリはドット絵と比べてリスペクトされている様子があまり見られない。

ファイナルファンタジー7(PS)

「いや俺はこれが好きなんだ!」って人はきっといるんだろうけど、もしも今「あの名作がローポリでリメイクされます!」なんてことになったら一騒動起こることは必至。当時こそ斬新だったけど、現代の高解像度なグラフィックと比べると劣化版と見られてしまう。

とはいえ全くないわけでなく、例えば『Anodyne 2』は意図的に初代PSデザインを採用して不安感や独特のノスタルジアを生み出している。個人的には火星物語(PS)の人形劇みたいな見せ方はローポリこそ合ってると思うし、ローポリの抽象性を生かしたホラーゲーム(Paratopic)だってあるにはある。
なにかきっかけがあればローポリが注目される日が来るしれない。まだその時が来てないだけに過ぎない!

どの表現方法にも独自の美しさと意味がありそれぞれの時代を築いてきた。進化を続ける高品質グラフィック、懐かしいドット絵、そして再評価が期待されるローポリ。過ぎ去った時代の表現が再び光を浴びるその日を楽しみに、これからもゲームの進化と流行を追っていきたい。

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