メタファー:リファンタジオ 10時間プレイ感想&レビュー

『ペルソナ3』『ペルソナ4』『ペルソナ5』開発チームを中心としたクリエイターによるファンタジーRPG『メタファー:リファンタジオ』をプレイしはじめた。
2024年GOTYでベストRPGを含め複数タイトルを受賞した高評価タイトルなのでやりたい気持ちはあったものの、如何せんクリアまで数十時間は覚悟しないといけない長編RPGというわけで臆していたけどやっとはじめることができた。

ひとまず約10時間、最初の拠点を出て舞台が移動したところまでプレイした時点のレビューを兼ねた感想を書いていこうと思う。

レビュー感想

※ストーリー序盤の内容を含みます。

ストーリー概要

幼馴染の王子にかけられた呪いを解くため特命を受けた主人公が国王暗殺をきっかけに始まった新王を決める争いに巻き込まれていく物語。

こういう政治争いや内乱で思惑が入り乱れ人間関係がぐちゃぐちゃどろどろしたストーリーは好みなので序盤からバッチリ心掴まれた。
独自の王政や8つの種族の中にある格差問題などオリジナルな世界観を持ちながら、ストーリー上で不当な扱いを受ける主人公の描写などしっかり見せて自然とプレイヤーが「こういう世界なんだ」って理解できるようになっているし、アニメ調のムービーシーンが頻繁に入ってくるので動きのある形でストーリーを見やすくもしてくれている。
専門用語はそれなりにあるけど見聞録(TIPS機能)をいつでも確認できるから没入感を保ったまま話を進めることができるのも良い点だ。

ゲームの特徴

・時間管理システム
RPGには珍しく日付の概念が存在し、ゲーム開始時の6月から新王を決める期限10月までの物語になっている。ストーリーに応じて日付が進むとかでなくちゃんと1日ごとに行動を決め、メインストーリーに期限があるのでそれまでに攻略しないといけない。合間にサブクエストやダンジョン攻略、仲間と交流するなど進め方は自由。

メインストーリーをクリアするまでの期限が設定されているから急かされている気分になるかと思ったけど、少なくとも序盤にある『災厄の日』云々の頃のサブクエストなどは余裕を持って攻略できたし、期限のないクエストもあるからそこまで急かされている気はしなかった。
また、他プレイヤーが同日どんな行動を取っていたかゲーム内で見る機能があり参考にすることができる。この機能は他にも攻略中のクエストを他プレイヤーがどんな編成やレベルでクリアしたかなども見ることができる。

メインストーリーのダンジョンは長いため、随所にある休憩ポイント+ショートカットとなるマグラの穴を解放しながら何日かに分けて攻略していくのはこの時間管理システムともマッチしている。期限があるから「早く敵の目的を阻止しないと!」ってプレイヤーとキャラクターの意志が一致する没入感があるのはおもしろいところだ。

・アーキタイプ
本作のストーリーとバトルどちらにも重要な要素で、類似系統でいえばファイナルファンタジーのジョブシステムやドラゴンクエストの職業にあたるもの。
アーキタイプごとに使い込むことでランクが上昇してスキルが増え、バトルメンバーそれぞれ自由に付け替えることができるので育成と組み合わせを考える楽しみがある。

キャラクターレベルとは独立したランクがあるので育成する楽しみはあるものの、アーキタイプのアンロックや他アーキタイプへのスキル継承などにはMAG(専用ポイント)が必要だったり、これまで育成してなかったアーキタイプを使おうと思ったらランク上げからしないといけないのは少々手間で、レベル上げ作業的なものの好き嫌いで好みは分かれるかもしれない。

・バトルシステム
バトルはターン制のコマンド選択形式。主な行動としては通常攻撃、スキル、ジンテーゼで、ジンテーゼは2キャラのアーキタイプの組み合わせによって変化する合体技みたいなもの。強力な必殺技が使える代わりに2回分の行動と消費MPでリソース消費が激しい。

また特徴としては弱点を付くことで行動回数が増えるのが大きい。これは敵側にも適用され味方にもアーキタイプによって弱点があるため、敵の行動回数が増える恐れがあるのはシビアなところだ。他にも、クリティカルが発生したら行動回数が増えたり、攻撃を外すと行動回数が減ったりと行動回数が不意に増減するので展開が読みにくい。これも弱点と同じく敵側にも適用される。

行動回数が容易に増減するからリスクとリターンのバランスを考える要素が増えているのはおもしろい点で、自ターンの最後に回復スキルを使おうと思ったら攻撃を外して急にターンが終わったとかあり得るから行動順はよく考えながら決めないといけない。
しかし、攻撃を外したときのリスクが2回分行動を無駄にするって相当ストレスだからここだけは微妙な気持ちになる。もちろん敵が外したときは良い気分になるんだけども、差別に溢れた世界なのにバトルシステムは妙に平等なのはなんなんだ。

あと、どの戦闘でも『戦闘をやり直す』ことが可能で、その戦闘の開始時からすぐに再開できる。これでいきなり攻撃を外したときとか初見殺しのストレスは軽減してくれるけど、これがあるのに通常戦闘で敗北したときは勝手にオートセーブからやり直しになって戦闘前に戻せないのは不思議だった。ボス戦は戻せるのにね。

・アクション要素のあるシンボルエンカウントシステム
敵とバトルがはじまるエンカウントシステムは独特で、よくある敵と接触することでバトルがはじまるのとは異なり、フィールド上にいる敵の近くでコマンドバトルを開始するボタンを押せば通常のバトルがはじまる。
それ以外だとフィールド上の敵から攻撃されたら敵から先制行動される状態でバトルがはじまったり、フィールド上でこちらから攻撃を仕掛けダウンさせてからバトル開始すれば敵が気絶した状態からバトルがはじまるなどフィールドアクション要素が含まれている。

リソース管理が大事なゲームだから基本的に気絶スタートさせることが大事。逆に先制行動されると消費するものが大きく、前述の『戦闘をやり直す』をしても先制されたことは変わらないのでこれは絶対に避けたい。
また、格下の敵は攻撃するだけで撃破することができるので格下相手に絡まれる手間がないのはいいところ。

・スタイリッシュなデザインと音楽
ペルソナシリーズ同様に開発のATLUSらしいスタイリッシュなのに視認性と演出が両立された魅力的なUIとビジュアル。バトル中のオーケストラや民族音楽にお経やコーラスを融合させたような楽曲構成はこの世界観と絶妙に相性が良くすぐ惹きこまれた。


ストーリーとかバトルシステムだとか王道RPG的な部分はあるのに見せ方が上手くて何か新鮮な気持ちにさせてくれるのは見事だと思う。
ストーリーについては最初から倒すべき敵がはっきりしている中でその人物に取り入ろうとするところからはじまるのがおもしろい。味方も敵もキャラクターが魅力的なのがなにより良い。
バトルは今のところ全体攻撃できるジンテーゼの存在感が大きすぎて行動パターンがそればっかりに固まりつつあるけど、アーキタイプの種類の多さを考えるとこれで最後までいけるわけがないという安心感があるので様子見中。
個人的にはストーリーと演出面に惹かれている比重が大きいから今のとこメインストーリーを優先して進めたい気分かな。もしプレイしている内にバトルも含めてがっつりやりたいってなったら2周目から解放されるらしい最高難易度でやるっていうのも手だしね。

サイトヒーロー

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Tags: レビュー

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