個人ゲーム制作者: みつどもえ工房(Xリンク)のフリーゲーム『氷点下30度の絶望』に興味惹かれてプレイしたのでレビュー。
ここでレビューはしないけど同作者の前作『推しの大切な人に成り代わる~誰もあなたを愛さない~』(注:BLゲーム)と繋がりがあることがクリア後にわかったのでそちらもプレイした。
とある会社の冷凍庫に閉じ込められた口無荼毘(クチナシ ダビ)と十二村結(トニムラ ユイ)。死が迫る極限状態の中で二人はどうするのか?
ゲームとしては選択肢でエンディングが分岐するノベルADV。画面内で気になる所を選んで調べるパートもある。
ストア概要に記載されているので書いてしまうけど、分岐で辿り着けるエンディングは4つあり、全て死亡エンドだ。謎解き要素はほぼなく、エンディング回収は選択肢の総当たりで可能だから基本的には読み物ゲームとなっている。
エンディング数とそれら全てが死亡エンドとあえて明かしているのは、救いがないことを先に言っておかないとプレイヤーが下手に期待して絶望しないための配慮なのだろうと思う。
この作品は『どうして閉じ込められた』とか『どうやって脱出するのか』ではなく、『確実な死が迫る極限状態で何をするのか』を焦点にあてた話になっている。
呑気に雑談している時間がそれなりにあるけど、現実逃避というか死が目前に迫ってくるまで現実味がないというある意味リアルな表現になっているとも思えた。
同作者の『推しの大切な人に成り代わる~誰もあなたを愛さない~』と繋がりがあるので、こちらをプレイすることで世界観を理解する材料になる。本作単体で完結しているものの、名前だけ出てくる人物名や意味ありげな用語や設定が出てくるので前作未プレイだとモヤっとするかもしれない。ただ、いわゆるBLゲームなので万人に勧めにくいのは難点。『氷点下30度の絶望』の方はBL要素薄めだから、そういうのが苦手な人でもたぶん大丈夫だとは思う。
絶望しかないストーリーだけど興味を持ったなら『完全クリア』まで頑張ってほしい。
SCP財団に影響を受けている世界観ということで、ふんわり名前の存在だけ知ってる程度だったから調べてみたけど思ったより規模の大きい題材だった。実は知らなかっただけでこれまでプレイしたゲームの中にもSCP財団に影響を受けたものがあったのかもしれない。