じゃあ、また(再见 Once Again)レビュー

まえがき

簡単なポイント&クリックやドラッグ&ドロップ操作をしながらストーリーを読み進めていく遊べる絵本のような短編ノベルゲーム『じゃあ、また』をプレイしたのでレビュー。

じゃあ、また レビュー

ストーリーは、主人公の少年ナツが一年に一度、誕生日の夏に時空を飛び越えて会ったことのない母親と出会う話。自分を出産したときに亡くなってしまった母親との存在しないはずの時間を埋めていく。

ゲームとしては本当にシンプルで、テキストを読み進めながらイラストをクリックしたりするマウス操作で完結するゲーム。
例えば、主人公が朝起きて今日の天気を確認しようとしたらiPodをクリックするとか、そんな簡単な操作だけを繰り返していく。

ノベルゲームのテキストをボタン1つで読み進めるだけの操作に、キャラクターと同じことをやっているような感覚を与える操作を一手間加えることで、没入感が増す演出を体験できるインタラクティブなゲームになっている。
どこをクリックすればいいのかガイドもしてくれるけど、理解してくるとガイドが出る前に「次はここをクリックすればいいんだな」と小さな発見ができるようになる。

母親がカメラをやっていることから、目盛りをドラッグ&ドロップして写真の焦点や光の加減を合わせる操作が特に多い。

なかったはずの母親との思い出を写真に残していった先にある結末で迎えるのは感動か、それとも哀愁か、1時間くらいで完結する一本道のストーリーだけど人によって感じ方は違うだろう。それは、ビジュアルノベルやサウンドノベルと呼ばれるテキストベースのADVとは異なるインタラクティブな操作性が受け止め方に差を生み出しているのだと思う。

受け止め方に違いはあれど、読み終わったときの良質な余韻は変わりないはずだ。

あとがき:florenceを思い出して

『じゃあ、また』をやってたら過去プレイしたことのある『florence』を思い出し、数年振りに再プレイした。

数年振りだというのに、はじめてみたらストーリーや操作感はすぐに思い出せた。
こういったゲームはflorenceが初めてだったのもあるだろうけど、セリフや文字でなくイラストとパズルの演出だけで物語を伝えてくる手法は改めてプレイしても印象的だった。

パズルのピース数や形状が変化していく意味に気づいたときの衝撃は鮮明に憶えてる

ただテキストを読み進めるのでなく、インタラクティブな操作が加わったことで印象により残っていたのかもしれない。これはもう”インタラクティブノベル”という一ジャンルにしてもっと広まってほしいと思う。

あと、スマホ版だったから直感的なタッチパネルでやれたのがよかったのかな。この手のゲームはタッチパネルでやれる方がよさそうだ。

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