RTAの不正行為についての話。
初代『ポケモン』RTA世界新記録に不正発覚し、取り消される。録画・切り貼りで作られた偽記録を検証班が追う(AUTOMATON)
上の記事はゲームクリアまでの時間を競うRTA(リアルタイムアタック)で不正が行われていたことが発覚して記録が取り消されたという内容。
いくつかの怪しい点からモデレーターチームが記録達成映像を検証することになり、画面レイアウトの微妙なズレなどが明らかになって不正が暴かれたようだ。
この件を含めて過去に不正が明らかになった記録は探せば出てくるけど、動画検証には限界あるし編集技術が進歩するほど難しくなっていく。きっと明らかになっていない記録はあるだろうし今後はもっと探すのが困難になっていくのだろうなと残念ながら思う。
RTAは昔から続いているユーザー主導の遊び方で今となっては一つのコミュニティといっていいものだ。ゲームのスーパープレイだけでなく仕様の隙やバグを利用するといった普通に遊んでいたら遭遇しない状況を再現するRTAを見るのは楽しくて、ボクと同じく自分でRTAに挑戦まではしないけど定期開催されているRTA in Japanは視聴するといった人は多いと思う。
それがこういった形で不信感が募ってコミュニティが縮小する要因になりかねないのは本当に残念だ。
昔だったらたかが名誉のために何故そんな一生抱えることになる不正をと考えるところだけど、今回の件も含めてRTAコミュニティによっては記録達成すれば賞金が得られるものがある。
また、現代において名誉とはSNS等のフォロワー数に影響して、極端なことを言えばその注目度と発信力は金に繋がることもある。
本来好きなゲームに関わる名誉だけを求める遊び方だったものが金銭と結びついてしまったことでこういうことが起こりやすくなってしまったのかもしれない。といっても努力が金銭に結びつくこと自体は悪いことじゃない。だからこそしっかりしたルールと検証が必要なんだと思う。
オンライン対戦などがあるゲームだと運営の規約で不正行為の禁止は明記しているもので、運営側も不正行為がないか監視はするしユーザーからの報告を受け付けているのが普通だ。
でもRTAはあくまでユーザー同士が独自にルールを作ったもので、ゲーム内には存在しないクリア時間を競うランキングでしかないから本来は被害者がいないため運営も介入できないだろう。
そもそも介入しようにも昔のゲームなんか当然オンライン環境はなくログが残ってるわけでもないから不正を明らかにするのは結局動画検証しか手はなさそうだ。
観衆のいるオフラインの場で実機によるプレイに記録は限定するとか極端な対策は考え付くけど、RTAは配信や動画によって人の目に映ることが増えて発展したと思うからそこまですると面倒くさくて人は離れていくだろうね。近年だったらAIの発展があるから検証プロセスの基準をしっかり作ってやればAIによる検証作業とか捗ると思う。そういった活用できるものは何でも使ってRTAコミュニティがこれからも繁栄していくことを期待したいな。