もしもTポーズだったらこんな日常生活になるらしい:to a T レビュー

『塊魂』『のびのびBOY』『Wattam』などを手がけた高橋慶太氏の新作『to a T』をレビュー。

レビュー

ストーリー概要

常に体がTの形になっている主人公。
着替え、食事、トイレをするときもずっとTポーズのために独特な苦労をする日常生活を描きながら、ある日不思議な出来事が起こり物語がはじまる。

なんでTポーズをしてるのかって? 生まれつきだよ。

ゲームの特徴

町を散策してコインを集めたり買い物したりはできるけど、基本的にはストーリーに沿って日常生活を過ごす一本道のストーリー。エピソード形式で区切りながら物語は描かれていく。

ただ日常生活を過ごすと言ってもTポーズのまま食事や歯磨きなどするため専用の道具や特殊な体の使い方になるので、頭や手を操作して目的を達成させるパズルミニゲームを随所でプレイすることになる。

ゲーム的な操作をする部分はほぼこれくらいでとにかくシンプル。
本作はTポーズ主人公の日常生活を追いながら「Tポーズだったらこんなところで苦労するんだ。こんな道具が必要なんだ」って奇妙な発見を楽しみながら物語を見せてくるストーリーテリングに重きを置いたアドベンチャー作品になっている。

あと着替えやトイレ、道案内まで手伝ってくれるモフモフ犬との生活を楽しむ作品でもある。

感想

シンプルなのに独創的で遊び心があふれるある意味でいつも通りの高橋慶太氏ゲーム。
ゲームプレイ的にはあまり変化がないから人を選ぶことにはなるけど、Tポーズをしている主人公という意味がわからないストーリーとそれをゲームにして遊ばせようという普通は考えもしない従来のゲームの枠にとらわれない「こんなゲームもあるんだ」って不思議な気持ちにさせられた。

約5時間でクリアできるのと繰り返し遊ぶリプレイ性が薄いからボリュームが少々物足りないと思うところはあるけど、ビジュアルスタイルやエピソード区切りにあるアニメのOPとEDのようなムービーが楽しい雰囲気を作ってくれるからこの独特なゲームスタイルを許容できるなら十分な満足感を得られると思う。

サイトヒーロー