都市伝説解体センター ノベライズシリーズ/断篇集の感想

以前オーディオドラマの感想を書いた頃に購入していた書籍を読んだので、これも感想を書いていこうと思う。

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ちょうど開発元の墓場文庫が各書籍のターゲットや特徴をまとめたものを公開してくれた。今回読んだのはノベライズシリーズ(集英社みらい文庫)2冊と断篇集(JUMP j BOOKS)1冊の計3冊。

レビュー&感想(ネタバレなし)

※書籍内の詳細は書かないけど、ゲーム既プレイ前提の内容は含みます。

ノベライズシリーズ(全2巻)

ゲームのストーリーを辿る小説。

(左)1巻、(右)2巻

一冊目『怪異を解き明かせ』は、プロローグ『呪いの椅子』を含めたゲーム1章から3章まで。二冊目『真実を暴きだせ』は、ゲーム4章から6章までとエピローグが収録されている。

墓場文庫の書籍まとめにあるように『小中学生、読みやすいライトな作品が好きな方』向け。
一冊約200ページで1章あたり60ページくらいの配分になっているため、キャラクターの心情や背景の細かい描写はなく、ゲームから端折ったり改変している部分がそれなりにあり頑張って詰め込んだことが伺える内容になっている。
例えば、1章『闇から覗く目』はあざみ達が美桜の部屋へ調査に初めて来たその場で、特定から解体までほぼ間がなく行い解決してしまう。

そんなわけでゲームの内容をしっかり覚えていると物足りないと感じそうだけど、ゲーム画面の挿絵が随所に挟まっているし、大まかなストーリーは追えているから、ゲームの記憶が薄くなってきた頃に思い返すのには十分だと思える。
普段小説を読まない人や評判になっているから興味はあるけどゲームをする時間がないって人には、この読みやすさは助かるかもしれない。

しっかり原作ストーリーを描いた小説が読みたいなら今度発売する予定の『小説版 都市伝説解体センター(集英社文庫)』があり、こっちは上下巻各480ページと大ボリュームだから、ゲーム本編ストーリーを追体験できそうだ。
上巻は2月20日、下巻は3月19日発売とのこと。

最後にこの小説でよかった点と不満点を1つずつ挙げよう。
よかったのは基本的にゲーム原作準拠のストーリーだけど、この小説オリジナルの結末が用意されていることだ。そこまで大きな違いはないものの、原作より一歩踏み込んだとこまで描かれてそういう結末の可能性もあるかと思わせてくれた。
不満点はかなり個人的な感性の部分だけど、ページ数の関係でいろいろ端折った部分があるのは仕方ない。でも、あざみが初めてセンターを訪れたときにある廻屋の「ようこそ、都市伝説解体センターへ」のセリフはほしかった。このセリフは最後のネタ晴らしが判明するときに流れるセリフであり、このゲーム最後のセリフでもある印象的なものだから、これだけは切らないでほしかった。

断篇集

ゲームのストーリーとは異なる1話完結型で全5話収録されたスピンオフノベライズ。
各話それぞれ別の作家が担当するアンソロジー本で、ゲームで描かれていない設定や話が出てくるけど、墓場文庫の完全監修ということで公式設定と考えていいかもしれない。

ジャスミン視点で描かれる事件やあざみとジャスミンが出てこない本編より前の話だったり、各話でまったく異なる展開が描かれている。
ジャスミン視点だと推理ミステリー感が増し、正体を隠しているため微妙な距離感はありながらも、あざみを気にかけている心情が見られるのは新鮮。
本編より前の話で、ガスマスクを着ける前の山田と配信を始めたばかりの谷原きのこが知り合うきっかけとなる登山キャンプの話なんて誰が望んでいるんだ? と思ったらちゃんとおもしろかった。

【SNS調査、現地調査、特定、解体】といったゲームお約束の進行にこだわらない内容で、もっと都市伝説解体センターの世界に浸りたいという原作ファンの期待に応える満足度の高い作品になっていたと思うから、ゲームクリア後の余韻が残っている人には是非購入をオススメしたい。

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