異常なルールと能力を駆使するデスゲームもの:病能探偵 レビュー

まえがき

殺人事件、議論による犯人当て、デスゲーム、特殊能力などの設定と大まかなゲーム進行スタイルからダンガンロンパ系統のフォロワーとわかる『病能探偵』。約1年前に体験版をプレイして発売を待っていたので早速購入し、とりあえず3章をクリアした時点でレビューしたい。

レビュー

台湾発のインディーゲーム(開発元: PHOSEPO)とのことで、所々に安っぽさを感じる部分はあるもののオリジナリティがあるストーリーと設定を活かしたデスゲームものになっているので、暴力・流血表現が苦手でなければ(設定で軽減可)十分楽しめる出来になっていると思う。

◆ストーリー概要
無限のエネルギーを発生させる施設『海天使』を生み出した宗教『理』が世界中の国や機関に影響を与えている世界。理から招待状を受け取った13人の『病能者』は勝利すれば神になれるデスゲームに挑むことになる。

理とは一体どんな宗教なのか? なぜ神になるためにデスゲームをする必要があるのか? 病能者が集められた理由とは? といった謎の多い中で展開され、それらはストーリーを進めながら解明されていく。

◆ゲームの特徴
本作の特殊能力となる『病能』。デスゲームの参加者13人は何らかの認知異常や精神疾患を患っているが、病能者は自身が抱える異常や疾患を他者にも与えることができる。
例えば、『嘘をつけない』という強迫観念を持つ人物は他人にも強制的に嘘をつけない状態にすることができるといった感じだ。本来ハンデとなる疾患を、相手にも影響を与えることで特殊能力のような扱いにし、ストーリーと事件に絡ませているのが異質で興味を惹かれるきっかけだった。

デスゲームについては人狼要素もあって、ゲームマスターが1ゲーム毎に参加者へ役職を与えて人狼となった者は一定時間以内に殺人を犯さないといけないというもの。殺人事件が起きたら調査、議論の末に犯人を特定し、犯人が特定されたら処刑、処刑を逃れたら犯人は勝者になれるといったルール。
これだと殺人犯の動機の必要性が薄くなったり、一定時間内に殺人事件が起こるとわかってるんだから自衛のしようがあるのでは? と思うところだけど、病能者という特殊な存在であることや、人狼側の特典ルールで上手くやっている。

・ゲーム部分
調査パートで気になる箇所を調べての情報・手がかりを収集。議論パートはオートで会話が進む中で相手の発言の矛盾や間違いを手がかりで反論・指摘し、終盤は事件の流れを漫画でまとめる流れになるダンガンロンパに似た形式。

指摘するポイントと提出する手がかりの候補がそこまで多くないのでゲームとしてはそこまで難しいとは感じなかったが、言い回しや翻訳の問題かわからないけど、どちらも同じ意味で指摘できそうなポイントがあったり(どちらも正解になるなら問題ないがそこまでは確認していない)、特殊な環境下と病能による予想外の指摘の仕方などあって、若干納得しにくいと感じる部分はあった。
ミスったときに体力ゲージが減らされるものの、何十回とミスしないと尽きないし、何度かミスするとヒントが出るのであまりミスは気にしなくていいようになってる。ただ、事件終了後に意味があるのかわからない最終評価がされるので、気になる人はいるかもしれない
選択肢が出ているときとか、メニューを開けない(=手がかりやキャラクター情報、ログの確認ができない。セーブができない)タイミングがあってそこは修正してほしいところ。

推理モノとしては、特殊な環境下と病能による設定を活かした出来事が次々と発生して全体的に複雑。
各自の病能の正体や条件、有効範囲など明確でなかったりする中で、どこまで出来るものか想像と疑心暗鬼の中で話が進むため、本格ミステリー的なものではない。
デスゲームのルール上どこまで許容されるのか曖昧だったりして、「それOKなの?」とか「そんな偶然ある?」と感じる部分が随所に出てくるけど、ルールや設定に穴があるだけなのか後の伏線に関わることなのかプレイ途中は判断できそうにない。
ここら辺がクリアまでに解消されるかどうかで最終的なストーリーの評価に関わってくると思う。

◆その他
暴力・流血表現が激しいため苦手な人は設定から軽減するといい。
先にインディーゲームらしい安っぽさはあると書いたが、処刑のアニメーションは質が高い。故にグロさが増しているからそのギャップは強烈な印象を与えられる。

ボイスは議論パートやイベントシーンだけフルボイスで喋ったりするが、大体は一言テンプレのセリフがある程度。調査パートでは何かチェックするたびに主人公ライルが「これはなんだ」って言うけど、言い方のバリエーションがあるのが妙におもしろくなってしまった。

◆3章クリア時点の感想
※直接のネタバレは書かないが、各章の出来事や設定の話を含みます。

荒さが目に付く部分はあるけど、伏線っぽい部分の答えと結末が気になると思わせてくれる魅力が十分にあるゲームだというのが現状の評価。
1章はチュートリアルだからサクッと終わるものの、正体不明の人物がそのままだったり絆がどういう役割を与えられた存在だったのか未だはっきりはしていないから、今後掘り起こされる可能性が残されているのを楽しみにしてる。
2章からは連続で次々と事件が起こる複雑さで混乱しつつも病能探偵がどういうゲームか理解させてくれるのがおもしろかった。ただ、2章の犯人に同情する流れと、ライルが最後にやったことを一方的に避難されているのがあまり共感できなくてちょっと話に置いていかれてる気持ちになった。
3章もまた連続的な事件で推理するのは楽しく、あのトリックと結末は強烈に印象に残るものだった。ただ、どうしてもダンガンロンパフォロワーと思いながら見てしまうと、あの有名な展開に似せてるのかなと余計な勘繰りが入ってしまった。それでも、最後のボタンを押す辺りの話は現時点で最も印象に残り、病能探偵をするならとりあえず3章までやってほしいと思える内容だった。

まず主人公ライルの病能がなんでもありすぎて、使い方次第でなにからなにまで伏線にできる可能性があるから良くも悪くもクリアするまで評価が難しい。早くクリアまでプレイしてクリア後の感想を書きたいと思う。

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