既プレイの旧作(PSP版)と平行して全エンドクリアまでプレイしての感想を書きたいと思う。

【初動のレビュー感想記事】
旧作と平行プレイしながら感じたこと:STEINS;GATE RE:BOOT レビュー感想

※ストーリーの重大なネタバレを含みます。既プレイ必須。

クリア後の感想

◆クリア後の雑感
PSP版を初めてプレイしたときの衝撃は、十数年経った今でも大筋の展開を覚えているほど強烈だった。あれからアドベンチャーゲームやSFタイムトラベル系に関連する作品をいくつも体験してきたけれど、今回リブート版を遊んでみて、シュタインズ・ゲートという作品がいかに色褪せない魅力を持っていたかを再認識できたことが何より嬉しいと思えた。

初見時は理解が追いつかなかったタイムトラベルの設定や電話レンジ(仮)、タイムリープマシンの仕組みなども、今回は自然と腑に落ちるようになってた。経験を積んだ今だからこそ、物語の構造やキャラクターの選択の重さがより深く刺さった気がする。

リブート版で追加されたOBSERVER(フローチャート)は、複雑な世界線の分岐を視覚的に整理してくれる便利な機能でありがたかった。理想を言えば、ここから各シーンへ直接ジャンプできればさらに快適だったと思う。
また、追加されたスチルやE-moteによる細やかな仕草と表情変化は、キャラクターの感情をより立体的に感じさせてくれた。知っている物語なのに、どこか初めて触れるような新鮮さが随所にあった。

しかし、テンポよく読みやすい内容にするため仕方なくカットされている部分もある中で「ここはカットしなくても……」と思う部分があったのも素直な気持ちだ。

◆旧作と並行プレイして気になった点
旧作と比べると、岡部の心理描写がいくつかカットされているのが特に気になった。
例えば『お前を見ているぞ』のメールを受け取った場面では、旧作の岡部は突然の脅迫ともいえるメッセージに強い不安を与えられる描写があったのに対し、リブート版ではその瞬間が比較的あっさり流されている。
顕著だと感じたのはまゆりが初めて殺されるシーンで、ここの岡部の心理描写が大幅に削られているのは残念だった。岡部が現実を受け止められず崩れていき、その後に続いていく苦悩を際立たせる重要な瞬間で、旧作ではその痛みが丁寧に描かれていた。
日常パートの些細な1シーンならともかく、こういうシーンはあまりカットしないでほしかった。

以下、個別エンドごとの旧作とリブート版を比較した変化点で気になった部分と一言感想。


・鈴羽エンド(不可逆のリブート)
タイムリープを繰り返して精神的に壊れた岡部のどす黒い心理描写が少しマイルドになってる。(主に鈴羽に乱暴しそうになるくだり)
あそこは痛々しく気持ち悪い部分ではあるけど、岡部の壊れていく様を見せられるシーンであるため、カットされると印象も薄くなってしまう。
最後のタイムマシンに乗り込む前に少し会話が追加されてる部分はよかったと思う。こういうキャラ描写の深みを増したり補完してくれる変化点は嬉しい。

鈴羽といえばあの手紙。希望を与えられてからの大きな絶望に落とされる悪趣味な展開は、だからこそDメールをなかったことにすることを躊躇しなくてすむんだけども、改めて見てもスキップしたくなるくらい辛かった。

鈴羽エンドはタイムリープをただ繰り返していても何も解決しないことをまず見せつけられる最初の分岐としてふさわしいエンドだったと思う。

・フェイリスエンド(分離喪失のジャメヴュ)
フェイリスが雷ネットの大会で優勝を逃してタイムリープで一度やり直す部分が丸ごとなくなっていきなり優勝しているのと、それに伴って4℃の存在感が薄くなっていた。
雷ネットの大会シーンは特に物語上必要でもないだろうし、4℃は愉快なキャラで印象的ではあるものの、やっていることは捕まっていないだけの犯罪だからカットされているのはさほど気にならなかったかな。

フェイリスについては、部屋着と髪を下ろした立ち絵や制服姿の追加スチル、E-moteによる仕草と表情の豊富な変化など新鮮な姿が色々見れた。個人的にはリブート版で魅力が増したと感じるキャラの一人だった。

フェイリスエンドはラボメンとの関係は切れてしまうけど、(少なくとも描写されている範囲では)まゆりを救うことができて、未来ガジェット研究所がない=タイムマシンが存在しない世界なら、ある意味ハッピーエンドと言えなくもないか。

・るかエンド(背徳と再生のリンク)
小さい変化点でルカ子がタイムリープするとき、岡部のセリフ「もし俺が使い物にならなかったら、紅莉栖を頼れ」が追加されていて、紅莉栖に対する信頼感が増してるように感じた。
大きい変化点はルカ子がタイムリープした後、旧作はルカ子がタイムリープしたことを岡部は認識していたが、リブート版はルカ子がタイムリープしたことをその瞬間忘れ、あとでルカ子からタイムリープしていたことを聞かされる。結末は同じだけど、リブート版はルカ子が岡部と同じ孤独な観測者を体験したことが強調される構成でよかったように思う。

前2つのエンドはまだ希望がある結末だったけど、るかエンドについては明確にまゆりのことを諦めているし、未来の問題も解決しないままのまさに一時の幸せって感じ。旧作にあった二人の子どもが生まれているスチルもリブート版でなくなっていたし、とにかく希望がない。

・萌郁エンド(深淵次元のハイド)
萌郁に思うところはそんなになくて、アパートのシーンでリブート版の方が怒り狂った声量に迫力があるなってくらい。それよりタイムリープしてきた綯だ。
旧作だと綯の立ち絵は純真無垢な頃の姿しかなく、スチルも変貌した姿が1枚ある程度だったけど、リブート版はE-moteによる立ち絵の表情変化はしっかり用意され、綯の狂気っぷりがわかるスチルは差分込みで4枚あり、綯の存在感が大きく増していた。

原作になかった萌郁エンドは、ドラマCD『暗黒次元のハイド』が元になっているようだけど、そっちはダイバージェンス2.615074%に対して、今回の深淵次元のハイドは2.742993%とそれなりに違うので別といえる。
原作で描かれなかったγ世界線の話ではあるが、他の個別エンドと同程度のボリュームになっているため、綯がどんなDメールを送ったらああなったのか等、状況説明が足りないまま終わってしまい消化不良感が拭えなかった。

・まゆりエンド(透明のスターダスト)
もうここまでくると特に気になるほどの変化点はなし。
まゆりと共に紅莉栖を送り出し(あるいは送り出され)、β世界線でまゆりと共に生きていくことになる結末は一見悪くない。β世界線の未来がどうのってのは紅莉栖ルートに行かなきゃわからないし、岡部にとってはもうどうでもいいことで、仮にあの世界で鈴羽が来たとしても岡部はタイムマシンに乗らないのかもしれないなと思った。

・紅莉栖エンド(因果律のメルト)
・トゥルーエンド(境界面上のシュタインズゲート)
旧作とリブート版ではBGMの選曲が随所で違ってたんだけど、旧作でタイムマシンに乗ると決意するタイミングで流れるゲーム主題歌『スカイクラッドの観測者』がリブート版では流れないのが印象的で、BGMから与えられる印象ってやっぱり違うなーと考えさせられた。

トゥルーエンドについては、長かった時間の旅の終着点として最高のエンディングだったと言うほかなし。


おまけ程度の追加要素として、紅莉栖がアメリカの研究所に信頼できる先輩が一人いたことを話したり、その先輩:比屋定真帆と電話越しに話すシーンがあって『STEINS;GATE 0』もまたやりたくなったんだけど、そっちもリブートされる可能性があるのなら待ちたいよなぁと悩まされてる。

サイトヒーロー

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