不朽の名作SFアドベンチャーゲーム『STEINS;GATE(シュタインズゲート)』のリメイク『STEINS;GATE RE:BOOT』を購入。
PSP版を既プレイだけども、読みやすく修正されたテキスト、ボイス・サウンドの新録、スチルの描き直し・追加等々リブートされたようなので、改めてプレイしたいと思った。
せっかくだからPSP版とリブート版を平行プレイして、違いを感じながらレビューしよう。
※ストーリー核心部分のネタバレはしないけど、旧作既プレイ前提の言い回しと感想が含まれます。
新規シナリオについてはプレイ後に別途感想を書きたいと思う。
◆ゲーム概要
STEINS;GATEは2000年代頃の日本(秋葉原)を舞台に、タイムトラベルをテーマにしたSFアドベンチャーゲーム。トンデモ科学な設定はありつつ、現実的な科学的根拠と説得力ある設定を織り交ぜたシナリオ構成の出来は素晴らしく、当時このゲームで(あるいはアニメで)タイムトラベル系の基礎知識を履修した人は多かったのではと思う。
基本的にはテキストを読み進めるノベルゲームで選択肢や分岐点自体は一見多くない。
ただ、本作は携帯電話(ガラケー)が重要な役割を持っており、シナリオ進行で頻繁にやってくるメールに対してどう返信するか、そもそも返信しないとか、電話するのかといったほぼいつでも操作できる携帯電話を軸にしてるのが特徴で、この行動が従来のテキストゲームの選択肢の代わりになっている。
◆テンポよく読みやすくなったシナリオ
宣伝通り『テンポよく読みやすい内容』になっている。
例えば、主人公:岡部倫太郎の一人電話・語りシーンは随所でカットされている。あれが良いと思う人もいたかもしれないが、テンポが悪くなっていた原因は大体これなので仕方ない。それでもいい塩梅に残されてもいるので十分だと思えた。
ただ、電話レンジ(仮)のゲルバナ実験についてラボで考察しあうシーンだと、結果的に進展のない会話だけども、未来ガジェット研究所がただのふざけたサークルではなく真面目にやってる部分もあると見せる描写としてあってもよかったのかなとも感じた。
あと、牧瀬紅莉栖とタイムマシンについてディスカッションしてるときに内心ひやひやしてる描写がないのとか、岡部倫太郎の情けない描写が少し減っているのは、岡部倫太郎に感じるキャラクター像が旧作プレイヤーとは変わってくるのかもと思ったりした。
旧作からカットしているだけでなく、話の順序を再構成して会話の流れや人の出入りがより自然になってもいたから、リブート版はたしかにテンポよく、かつ読みやすい構成になっていたといえる。
既プレイといっても随分前の話だから細かい部分は覚えてないところがある。
うろ覚えながら既プレイだからわかる序盤の伏線に気づけておもしろいし、そうでなくとも改めて見るストーリーは普通におもしろい。
牧瀬紅莉栖が初めてラボにやってきて行う電話レンジ(仮)の実験シーンなんて「これからどうなるんだっけ!?」とワクワクさせられた。
STEINS;GATEは岡部倫太郎の冗長な言い回しや、使い過ぎなネットスラングの嵐に共感性羞恥に近い気持ちになって序盤を抜けるハードルが高い印象があったんだけども、リブート版で適度にカットされてたり、時代の流れで忘れていたネットスラングが出てくる新鮮さは逆に嬉しくなったりして、当時キツイと感じた部分は今回無くて序盤から楽しめた。
これもゲームのテンポをよくするためか、一部の電話をかけたり携帯電話を操作するところが自動になってた。あの自分でやってる感じはそのままでもよかったと思わないでもない。
◆キャラ印象の比較
ボイス新録ということで声優は変わっていないものの、十数年前だから平行プレイで聞き比べると流石に違いは感じる。
とはいえ、リブート版単体で聞いてほぼ違和感はなかったし、比較してどっちがいいかといえば好みの問題だ。
リブート版は全体的にアニメ版寄りで、鳳凰院凶真の大袈裟な言い回しは思い出に残ってるイメージのままで、むしろ改めて聴いた旧作の鳳凰院凶真は大人しいとすら感じた。
これはダルもそうで、旧作はわりと普通に喋ってたんだなと思った。リブート版では語尾に「だお」が追加されてる部分をよく見かけて、古来のオタクイメージをより付けやすくしているようだった。
椎名まゆりは聞き比べたら違うとは感じるけど、どっちもまゆしぃのイメージを与えてくれる演技で違和感がない。唯一あるのはトゥットゥルー♪の発音で、リブート版とアニメはトゥットゥルー(⤴)だったけど、旧作はトゥットゥルー(⤵)だった。
牧瀬紅莉栖はキャラデザも含めて旧作とは最も印象が異なった。
リブート版は全体的に落ち着いて柔らかい雰囲気。旧作の方が普段は幼い感じの声色をしながらも、感情的にキツい言い方をするところはちゃんとキツくて思い出のイメージと一致してた。
キャラデザについては髪型か毛量、あるいは目つきのせいか個人的には旧作との変化にまだ慣れないキャラクターだ。
あと旧作当時だと、序盤から随所に感じるねらーの雰囲気(言い回し)に「こいつもしかして?」とプレイヤーは察するのだけど、現代はネットスラング知識がないとわからないのかもしれない。
◆きれいなグラフィックとアニメーション
当然リブート版の方がスチルは多くてシンプルにキレイ、そしてアニメーションツール『E-mote』による立ち絵の細かい表情の変化や動きは没入感を高めてくれた。
でも一つ、プロローグの秋葉原から人が消えたときのあの印象的なスチルがリブート版ではなくなっていたのだけ残念だった。
そして、レトロな雰囲気の旧作もやっぱり良い。
◆便利なTIPS
当時より見なくなったあれやこれやのネットスラング等の説明は現代こそ必要だろう。
生まれ変わった秋葉原ラジオ会館や、もはや馴染みのないブラウン管テレビなど、旧作にはなかったTIPSが追加されているし、新規TIPSのみ見られるページとか機能性が向上していた。
でも『いいとも』のTIPSがなかった。もうそろそろいるんじゃないかな?