シュレディンガーズ・コールが大変よかったのでクリア後感想と個人的な考察を書いていきたい。
プレイ中に残してたメモとゲーム内手帳を元に書いていくけど、書き漏らしたり忘れてる部分はあると思う。チャプターセレクトが追加されることがあれば再確認して追記・修正するかも。
そうでなくても、いずれもう1周したいと思える良い体験のできるゲームだった。
※ストーリーの重大なネタバレを含み、クリア前提の内容になります。
息子ウィリアムを庇って刑務所に入ったルーシーは、出所後すぐに電話をかけるも、ウィリアムの養父になったジョンとの約束で「母親だ」と名乗れなかった。
・1章クリア時点の感想
ルーシーとジョンそれぞれの曖昧な記憶と直接通話できないことによるすれ違いから、どっちが悪いんだろうと疑いつつプレイしてたけど、終わってみれば二人の親は間違いなくウィリアムを愛していた。
メアリが未完了通話でウィリアムになりすまし、ありえた未来として完了させる展開は、言ってしまえば嘘から作り出した結末なのだけど、それも記憶が曖昧で未完了な確定していない通話だからこそ、「もしかしたらあったかもしれない」という救いのあるもので、これがシュレディンガーのタイトルに通ずるのかなと考えれば切なくも美しく思えた。
・同じ悲しみ
母親だと言えなかったルーシーと、エイミーじゃないと言えなかったメアリは同じ悲しみを共有しているから繋がれた。
ただ、1章クリア時に美しい物語だなと感じたからこそ全章クリア後に思い返すと、二人の親から愛を注がれたウィリアムに対してメアリは……という似てない境遇の部分がより悲しく感じられた。
・メアリのなりすまし
メアリが未完了通話の相手のふりをすると相手の人格になりかけるという展開は、あの世界のルールでそうなってしまうのかと1章プレイ時点では思ったけど、これも全章クリア後に考えるとメアリ自身が抱える思い込みの強さが原因で、ちゃんと全体を通した伏線になっていたことがわかる。
・ウィリアムと通話できないのは何故?
ゲーム的な都合というのは置いといて。二人の親にしっかり愛を注がれていたウィリアムには心残りがなかったから通話できなかったのかもしれない。
それか、現実世界でメアリが会ったり通話したことのない相手とは繋がれないのかなと全章クリア後に思った。
ルーシーは出所後、公衆電話を使うためのコインをくれた女の子がいたけど、それがメアリでそのときルーシーの話し相手になって事情を聞いてたとかね。
盲目のリアが行方不明になり、責任を感じたトーマスは月が落ちるその瞬間まで繋がらない電話をかけ続けた。
・2章クリア時点の感想
トーマスの嫉妬からはじまる悲劇だけども、トーマスの気持ちもわからなくはないのが辛いところ。
もしトーマスの脚本が一部でも採用されていたら、あるいはトーマスと父親の関係がもっと良好だったら……なんてことを考えてた。
1章はまだ月が落ちずに通話が続いていればありえたかもしれない未来の未完了通話だったけど、今回は繋がらなかった電話の話だ。もしもリアが生きて電話に出てくれたなら……という限りなく低い可能性の話。
リアの生死は不明のままだったし、これは果たして救いのある物語なのだろうかと早くも不安に感じ始めた。
・同じ悲しみ
この章で問われた『君にとって本当に苦しい気持ちとは果たしてどちらだ?』に対しての『友をねたむ気持ち』『自分を嫌う気持ち』の2択は、どちらもメアリとトーマスには当てはまってる。
リアに嫉妬したトーマスと、父親から愛を受けるエイミーに嫉妬したメアリと重なるし、それが原因で起こった出来事によりどちらも自分を嫌った。
メアリに関しては青の施設に入る前から自分を消したがっていた=自分を嫌っていたかもしれないけど、エイミーのことが決定的になったのだと思う。
・リアの生死
行方不明になったリアがどうなったのかは明かされていない。でも、リアもムーンチャイルドで日の下に出たことで燃え尽きてしまったというのが話の流れ的には繋がる。
家から出してもらえないのは目が見えないからだけでなく、ムーンチャイルドだったからってわけだ。
結婚翌日に失踪したサイラスは、3年後に自分を待ち続けるヴァイオレットに真実を告げて復讐を完遂した。
・3章クリア時点の感想
真実だけ見れば誰も救われない悲しい話。
ヴァイオレットがとにかく良い子すぎた。サイラス(ルーカス)に騙されていたことを知っても、恨むでなくサイラスのことを理解できてなかったことを嘆く姿は絶対に救われてほしいと思った。
プレイヤー目線でサイラスが結婚後すぐに失踪した理由を察した後も、最後の電話では後悔して謝っているのだと思いたかったが、そんな期待も裏切られた。
未完了通話はメアリが『サイラスは本当はヴァイオレットのことを愛していた』という存在しない可能性の通話をしたのだけど、あまりに悲しさの部分が強くて素直に「よかったねヴァイオレット」とは思えなかった。
・同じ悲しみ
ヴァイオレットもメアリも大切な人からの愛を失ったという同じ悲しみを共有していた。
全章クリア後に思い返すと、メアリが存在しない可能性の通話をしたのは、メアリがフィリップに愛されていたと思いたい願望の投影でもあったのかもしれない。
・ムーンチャイルド
この章でムーンチャイルドの存在が示され、回想の火事シーンもあったことから「メアリもムーンチャイルドだったのでは?」と想像するのは自然な流れ。
失踪事件も続いてるから「2章のリアが実はメアリだったのでは?」とか予想までしてたけど、流石に妄想が過ぎた。
・アッカーソン家の火事の原因は?
火事の本当の原因は明かされていないが、夜だからムーンチャイルドによるものではないと思われる。もっとも、ムーンチャイルドが本当に存在するのか証明もされていなくて、ヴァイオレットの悪戯のつもりが本当に火をつけて燃え広がってしまっただけって可能性もある。
これで本当にサイラスの父親が放火犯だった場合は、サイラスの逆恨みすぎて同情もできなくなる。
娘エイミーを失ったフィリップ。半分燃え残ったぬいぐるみは誰が燃やしたのか。死んだはずのエイミーは本物だったのか。
・4章クリア時点の感想
エイミーと声が似てるとか、ダニエラと知り合いだった気がするみたいな話から、メアリが青の施設にいたことや、死んだエイミーのふりをしてフィリップと通話してたことは早く察することができた。
ただそれは、これまでの未完了通話でそうしてきたように、メアリの優しさからエイミーのふりをしてたのだと思ってた。実際はメアリの愛されたいという強い願望によりエイミーになり切っていたとは思いもしなかった。
フィリップの未完了通話に心残りがあったのは、メアリだった。
・ダニエラについて
ムーンチャイルドの研究者にしては、エイミーが勝手に外に出られる雑なセキュリティやエイミーの死後も外部電話が可能なまま放置してたり管理はかなり甘い。
ムーンチャイルドの存在が証明できないからやる気がないのか、あるいはダニエラも既に信じていないのだろうか。
でも、エイミーが生きていた頃にフィリップの面会を許さなかったり、ダニエラ自身もムーンチャイルドと直接対面しなかったりと警戒をしている面もあって行動に一貫性を感じないのが解せない。
プレイヤーが話し相手になり、メアリを救う物語になる最終章。
急なメタ展開にはちょっと戸惑ったけど、最後のやり取りであのメアリが前向きに世界と自分の終わりを受け入れてくれたのはよかったし、エンディングの入りの綺麗さはプレイヤーとしてメアリと話していたからこそだったと思う。
最終章ながら確定しない謎が残るけど、確定しないままどちらとも言えない状態だからこそ救いがある。嘘や曖昧さを否定しないのがこの作品のテーマであると思えたからあれでよかった。
・3章までの登場人物は空想の存在か?
全くの空想でないとしたら、メアリが父親に電話したかったとき、てきとうに電話してかかった相手で知り合ってやり取りしてたとかだろうか。
ルーシーに関してはそのタイミングがないけど、刑務所から出たルーシーにコインを渡した女の子がいたって話だからそれがメアリで解決。
・動物の姿だった登場人物
メアリが動物好きで、声からイメージした姿が反映されていたのだと思う。フィリップと出会ったときのシーンではフィリップは人の姿に見える。
・ムーンチャイルドは本当に存在するのか?
誰かが観測していると発火現象が起きないから証明できない。
ムーンチャイルドを治す方法に『瑠璃色のバラと呼ばれる薬を体に塗ること』と『誰かに愛され続けること』の2つ挙げられているが、瑠璃色のバラは太陽光をカットすればって話なら日焼け止めだろうか?
愛され続けることは思春期の少年少女が親や誰かに構ってもらいたくて火をつけた、あるいはその感情から発火現象が起きてしまうって可能性。
昼間だけだったのは子どもの活動時間や、親といる時間だからってだけ?
・ハムレットの正体
クリア後の手帳に載ってたメアリが持ってるぬいぐるみ?