クラシカルな雰囲気漂う3Dダンジョン探索RPG『Path of the Abyss』をレビュー。
先日アーリーアクセスを終了し正式リリースされたもので、アーリーは未プレイ、正式版からやってみた。
ストーリーダンジョン最初のボス『燃え殻の屍鬼』を倒した辺りの約3時間プレイした時点でのレビューと感想。
レビュー
ストーリー概要
とある遺跡に平穏を乱すモンスターが現れるようになり、討伐した者に報酬と名誉を授けられるという噂に集まった冒険者たちがダンジョンに挑む物語。
ゲームの特徴
自由なパーティ編成で一人称視点の3Dダンジョンに繰り返し潜って攻略し、ダンジョンの最奥を目指していくWizardyライク。そこにリアルタイム制や隊列パネルなどの戦闘システムが加わっているのが特徴。

・パーティ編成
固有ユニットはおらず、まずは街で4人のパーティを編成することになる。
ステータスと特性に差のある4つの種族から編成可能で、これだけだと編成の自由度は少ないように見えるけど、レベルアップ時に得られるAP(アビリティポイント)を割り振る先が8種あり、どこに振るかによって近接職や魔法職といった役割が変化するビルド要素になっている。

このジャンルは死亡時にキャラクターと所持品をロストするハードコアなルールになっているイメージがあるけど、本作に完全なキャラクターロストはない。それでも一部の装備や経験値を失う可能性はあるし、一人欠けるだけでダンジョンから帰還するのも一苦労となるためダンジョン攻略中の死亡リスクは決して低いとはいえない。
・ダンジョン探索
ダンジョン探索は一度通った道は自動でマッピングされる形式。
諸々のゲーム性とルールによって一度潜ってそのままクリアを目指すとはならないようになっているため、未開の地を何度も潜って開拓しながら攻略していくことになる。

ダンジョン探索中のイベントとしては、ランダムエンカウントと固定エンカウントによる戦闘、良いことから悪いことまでランダムで発生するゴミ溜め漁り、隠し扉の発見など色々とある。いきなりパーティ全滅するような致命的なトラップは覚悟していたけどなかった。
回復手段のリソースが限られていることや長くダンジョンに潜っていると溜まるマナ汚染によって定期的に街に戻る必要はあるが、チェックポイント的な要所はあり、一度到達すれば街からそのポイントまで飛んで再開できるようになるので毎回1層からやり直すことにはならない。
マナ汚染は高いと死亡時のリスクが高くなり街で宿泊すれば全快する。しかし、高いことのメリットもあるからリスクとリターンを考える要素になっている。
・戦闘システム
特徴的な戦闘要素は隊列パネルとリアルタイム進行。
各キャラクターのアビリティや装備で得られるスキルは全て戦闘で使えるわけじゃなく、隊列パネルにセットしておいたものだけが戦闘中に使える。そして隊列パネルはパーティ共有でなんと9枠しかない。

4人で9枠だから1人2枠くらいしかないため厳選したスキルをセットすることになる。
配置した位置によって効果範囲やシナジーに影響があり、配置するほどに敵のターゲットになりやすくなるというルールもあるため盾役に枠を多く取らせたい等々、隊列パネルの配置はずっとあーでもないこーでもないとなるのが楽しくも悩ましい。
戦闘はリアルタイム進行で、隊列パネルの中から毎回スキルを選択するか、事前に予約しておいたスキルを自動で使うかで行動させる。基本的には予約しておいて自動行動させ、回復など特定のタイミングで使いたいものは個別に選択する。
1回の戦闘が短い道中の雑魚戦は自動でサクッと終わり、強敵戦は状況を注視しながらスキルを使い分けるといった感じになると思う。

戦闘スピードはこれがなかなか早い。はじめたばかりの頃は何が起こっているのかわからないだろうから慣れるまでは一時停止してログを見直すなりするといいかもしれない。ゲーム側で戦闘スピードの低速モードがあると嬉しかったかな、いっそ慣れてからのために倍速モードまであったっていい。
・ハクスラ要素
ダンジョンでは大量の装備品を手に入れ持ち帰ることになる。持ち帰った装備は未鑑定で性能がわからないものが多く、鑑定することで性能が明らかになる。

同名装備でも付与されているステータスに性能差があるため装備の更新が頻繁に起こり得る。
装備にはILVL(アイテムレベル)という性能の評価値があるので悩んだらILVLの高いものを選別していけばいいけど、不要なステータスが付与されてILVLが高いだけってこともあるからベストなステータスが付与されている装備を探して取捨選択することになる。個人的にはこの鑑定の瞬間と性能を比較して悩んでいるときが一番楽しい時間だ。
完全ロストや理不尽な全滅トラップのないカジュアル風な3DダンジョンRPGなのに、制約の厳しい隊列パネルとビルド要素の組み合わせが奥深い。
戦闘スピードの早さに慣れるまで難しいけど、慣れてしまえばテンポのいい戦闘はストレスフリーだといえる。
特に気になる不満点を挙げておくと、鑑定や装備の比較する際などの荷物整理には手間がかかる。
アイコンの見た目で武器種がわからないとか、未鑑定品を鑑定するか売却するか毎度選択する必要があるとか、ショップ内で現装備との比較するとき1キャラごとに選択しないといけない等々かゆい部分がある。
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