まえがき
以前遊んでたDRAPLINE(ドラプリン)のかわいいとかわいそうの合間に挟まれて感情ぐちゃぐちゃになる雰囲気が良くて、その頃に買っていた同クリエイター(カナヲ氏)の『被虐のノエル』をやっと始めた。
全13シーズン収録されたComplete Editionを購入しているので、1シーズンクリアごとに都度感想を書いていきたい。
今回は初回1シーズン目なのでゲームとしてのレビューも含める。

被虐のノエル シーズン1 レビュー(ネタバレなし)
※ゲーム開始から十数分の話までは含まれます。
あらすじ
名門ピアニストの一人娘ノエルはピアノコンクールの優勝を逃してしまった。結果を受け止めきれないノエルのもとへ現れた市長バロウズから、裏でコンクールの順位が操作されたことを知らされ、悪魔と契約すれば優勝の座を得られるとそそのかされる。悪魔の契約に『代償』が必要であることを知らされずに……。

ゲーム特徴
ジャンルは公式サイトでは伝奇アドベンチャー、Steam概要では伝奇アクションADVとなっている。基本は物語ベースで、随所にパズルやアクションパートが入ってくる。2D画面で複雑な操作はないから難易度は易しめで、失敗してもリプレイは早くて頻繁にセーブもさせてくれるからクリアに困ることはないと思う。
全体的にユーザーフレンドリーな完成度の高さを感じた。
ストーリーを振り替えられるあらすじは細かく更新され、人物・用語辞典も完備。人物図鑑は同じ人物でも進行による変化も更新されていた。例えばノエルは悪魔と契約する前と後それぞれ図鑑がある。

調べられる箇所にはアイコンが付き、調べたところは色が変わってわかりやすい。ミッションと行き先の表示、セーブ可ポイントの表記などなど、とにかく遊びやすく作られてて、ここまでの新設設計は中々見ない。強いて言えばバックログがないのは不満点だろうか。
ストーリー感想
少女と悪魔が手を組み、巨大な組織へと挑む。この王道の構図を『被虐のノエル』はただの勧善懲悪では終わらせない。
悪魔との契約によって身体的なハンデを背負うことになった少女ノエルと、ある理由から彼女の復讐に協力する悪魔カロン。この二人の相棒関係のはじまりこそ、シーズン1の大きな魅力だと思う。
カロンは悪魔として人間より圧倒的な強さを持ちながらも、悪魔の力は万能ではなく奇跡のような力も契約の範囲内でしか使えず、さらにノエルというハンデを抱えることで絶妙なバランスが生まれている。力任せでは突破できないという緊張感が、物語全体を引き締めているのがおもしろい。

ノエルは第一印象こそプライドが高くワガママなお嬢様に見えたが、実際は努力を積み重ねてきた自負があるからこその強気な性格と、優勝を逃したときに見せた悔しさにも説得力があってよかった。敵に巧みに言いくるめられ、結果として悪魔と契約してしまうものの、根はまっすぐで優しい子だ。むしろこの世界では甘すぎると感じるほどで、そこをカロンがしっかりフォローしてくれる関係性が微笑ましい。
一方のカロンは、登場早々ノエルに代償を支払わせるというショッキングな役回りで、最初は敵に見えた。しかし彼もまた悪魔としての矜持とルールを持ち、ただ力を振るうだけの存在ではなかった。ノエルと対等な立場でやり取りする姿は、どこか不思議な信頼感を生み出していた。
この少女と悪魔のバディ関係こそ、『被虐のノエル』シーズン1を語るうえで外せない魅力だと言っていい。互いの弱さと強さが噛み合いながら物語は進み、二人の関係がどう変化していくのか、そこに惹かれて物語に夢中にさせてくれた。
シーズン1クリア後 感想(ネタバレあり)
シーズン1で印象的だったのは、ノエル自身が『悪魔と契約する』という禁忌を犯してしまったことへの葛藤だ。「復讐する資格のある人間ではないと思いますの」と口にするノエルの迷いは、プレイヤーからすると少しもどかしく映った。
その甘さを厳しく断ち切ってくれるのがカロンだ。ノエルが言わない現実を代わりに突きつけ、復讐の道へ引き戻す役割を担っている。
そして、ノエルの復讐に迷う葛藤があったからこそのシーズン1ラストにノエルが自らの意思で復讐を選び取る瞬間が強烈に胸へ刺さるわけだ。『他人に流されて契約した少女』から『自分の足で立ち上がる復讐者』へと変わる、その転換点が熱い!
この先の展開予想としては、現時点でバロウズの目的はまだ見えないけど、カロンを脅威と見ていない態度からバロウズ自身も魔人、つまり悪魔と契約した存在である可能性があるのかな。
シビラもカロンと妙に知った仲に見える場面があり、バロウズとシビラ共に何らかの契約を交わしているのではと勘ぐってる。
表向きはバロウズが黒幕のように描かれているが、ノエルに契約を迫り直接的な害を与えたのはシビラの方だ。そのため、プレイヤーとしてはシビラへのヘイトが溜まっているから、もしかすると実はシビラこそ真の黒幕とかそんな可能性すら感じさせる。
ストーリーにそこまで関係ないとこかもしれないけど、ノエルが第三の契約で右目を代償に左腕を取り戻したもらったが、ノエルは左利きなのだろうか? ピアニストだから両手の器用さは当然として、利き手の設定が影響してくるのか気にしておこう。
最後にゲームとは直接関係ないとこで、公式サイトのストーリー紹介で『シーズン3でバロウズ編が終わる』っぽいことをうっかり目にしてしまった。そのせいで「ここで一旦区切りがつくのかな」と察してしまい少しだけ後悔した。
実際には違う可能性もあるが、物語の行方を純粋に楽しみたい人は公式サイトの深読みは避けた方がいいかもしれないね。


コメント