10月1日、ゲームパスの実質値上げといえる新プランが発表、即日適用となりゲームのサブスクリプション運営の困難さが改めて表面化することになった。
Xbox Game Pass がアップデート: Essential、Premium、Ultimate プランのご紹介(Xbox Wire Japan)
新旧プランの比較
まずは新旧プランの比較から。
プラン名称(旧名称) | 旧料金 | 新料金 | 主な内容 |
---|---|---|---|
Essential(旧Core) | 842 | 850 | 約50本のタイトル遊び放題 オンラインマルチゲーム |
Premium(旧Standard) | 1100 | 1300 | 約200本のタイトル遊び放題 Day One非対応 |
Ultimate | 1450 | 2750 | 約400本のタイトル遊び放題 Day One対応 |
PC Game Pass | 990 | 1550 | PCユーザー向け Day One対応 |
名称が変わったり、ちょっとした料金変更があったりしつつ、特に大きな変更点と思えるのが最上位プラン『Ultimate』とPCユーザー向け『PC Game Pass』の値上げ。そして、最新作が発売当日からプレイできるDay One対応の値上げだろう。
Ultimate料金がほぼ2倍の料金になるというインパクトは相当に強い。
クラウドゲーミングの強化や還元ポイントの付与を謳っているけど、肝心のゲーム本数などは以前と変わりないようで今のところ単純に2倍に値上げされただけの印象。PC Game Passも同じく1.5倍に値上げされただけだ。
ゲームパスの大きな魅力だったDay one対応は、元々Ultimateからのサービスなので変わりないのだけど、Day one目的でUltimate加入しているユーザーは多くいただろうから2倍になった影響は大きいはずだ。
この新旧プラン比較を見ると実質的にはDay oneの値上げだと思える。個人的にはこの料金だったらゲーム買えばいいんじゃないかって気になるけど、実際そういう狙いなのかな。
各プランで遊べるゲーム
各プランで遊べるゲーム(2025年10月2日時点)を少し見てみる。
・Essential(旧Core)
下位プランのEssentialは約50本が遊び放題で、旧Coreが20~30本だったから実は良くなっている。
スターデューバレー、Slay the Spire、シティーズスカイライン、オンラインマルチ対戦ゲームなど長期的に遊べる定番ゲームがあるから、暇つぶしでゲームに触れるくらいだったらお買い得で楽しめるプランだ。でも、いろんなゲームを遊びたいコアゲーマーには物足りないところ。

・Premium(旧Standard)
約200本のタイトル遊び放題で、1年以内に発売された準新作ゲームもあるから十分な内容だけど、日本では馴染みのない海外ゲームもそれなりにあるから思ってたよりは少なく感じるかもしれない。パッと眺めて興味を持ったのはプレイ途中だったメタファー、あとは聖剣伝説 VISIONS of MANAやディアブロIVあたりかな。

・Ultimate
約400本のタイトル遊び放題で、Day One対応が最大の魅力。
最近リリースされたHollow Knight: Silksong、明末:ウツロノハネは遊べるし、これから発売するCall of Duty®: Black Ops 7、The Outer Worlds 2、NINJA GAIDEN 4などはDay One対応が決定している。

PremiumになくてUltimateにあるタイトルは、前述のHollow Knight: Silksong、明末:ウツロノハネみたいな新作級タイトルはあるにはあるけど、アサシンクリードやFalloutのような長期シリーズの旧作タイトルで本数を稼いでる感じもあるから、やっぱりDay One目的のプランかなと思う。
ゲームパスの未来は
ゲームパス、あるいはDay Oneは「いろんなゲームに触れやすくなって話題になるからいい」だの「長期的には開発費に見合わないからやめるべき」だの是非について色々言われているけど、個人的にはゲームパス加入中に見かけたから遊んでみたゲームってたくさんあるから、ありがたいものだと思っている。
ただ、加入期間中に他プラットフォームやこれは購入してやりたいってゲームがあるともったいないことになるから、上位プランのサブスクリプションで色んなゲームを遊ぶようなユーザーほど実はゲームサブスクリプションは向いていないのかもしれない。
思い切った値上げプランにしたことでXboxユーザーが離れることはあっても増えることはないはずで、ゲームハードのXboxもまた厳しい状況になりそうだ。
Xboxが日本であんまり普及していないから気軽に言えるけど、いっそのことハード機はもう撤退してSteamみたいなPCゲームのダウンロード販売プラットフォームの方向に力を入れるのはどうだろう。そこでPCゲームパスに一本化してくれたら使いやすくなるし、独自の強みを持つクラウドゲーミングを発展させていけばSteamと棲み分けもできるはずだ。
ハードを手放したとしても、マイクロソフトなら新しいかたちのゲームプラットフォームになれると期待を込めてそういう可能性もありだと思っている。
最後に余談、新プランの名称がPlayStation Plusに寄せてて競合の同名称プランより安いですよって一瞬見えるのが抜け目ないって思った。実際はXboxのPremiumは中間プランで、PS PlusのPremiumは最上位プランだから比べるものじゃないんだけどね。
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