HUNDRED LINE -最終防衛学園- レビュー

トゥーキョーゲームスの最新作『HUNDRED LINE -最終防衛学園-』のゲーム内30日までプレイした段階でレビュー。
ディレクション&シナリオを手がける小高和剛(ダンガンロンパシリーズなど)と打越鋼太郎(極限脱出シリーズなど)両名のゲームはそこそこ体験済み。

レビュー

ストーリー概要

・公式あらすじ
「東京団地」で平凡な日常を過ごしていた主人公・澄野拓海。
家族や幼馴染と過ごす穏やかな日々は、突如現れた正体不明の襲撃者によって脆くも崩れ去った。

自らを「SIREI」と名乗る謎の生物によって、異能の力「我駆力」に目覚めた拓海は、辛くも窮地を脱するが、その後「最終防衛学園」への「転校」を余儀なくされる。

集められたのは、15人の生徒たち。
「SIREI」に伝えられた目的は、迫りくる敵「侵校生」から、この学園を100日間守り抜き、人類を救うこと。


ダンガンロンパや極限脱出シリーズを経験済みなら閉鎖的な空間と謎のマスコットの組み合わせはもはや見慣れた光景。でも同じような展開には決してならないだろうこともわかるからわくわくしてくる。

ⒸAniplex, TooKyo Games

突然人類を救うため戦うことになった生徒たち。
彼らは自分たちが何処にいるのか、誰に指示されて何と戦っているのか、人類を救う戦いというのが本当なのかどうか何もかもわからない。

ゲームの特徴

主にアドベンチャーパートと戦闘パートに分かれる。

・アドベンチャー
自由行動では学園内の探索、生徒同士の交流、戦闘の準備ができる。
戦闘の準備以外はダンガンロンパに操作感は似ていて、キャラクターを選択して個別に会話したり気になるとこを選択したらメッセージが出る形式。

ⒸAniplex, TooKyo Games

自由行動の日は好きな仲間に話しかけたりプレゼントすることができるのも踏襲。ただこれは戦闘関連のステータスを伸ばす方法になっていて好感度アップ的なイベントになっているかは現時点では不明。

戦闘の準備は戦闘訓練や学園外の探索で資材を集め、手に入れた資材でスキルを開発・強化することができる。学園外の探索はボードゲーム風で資材マスに止まって資材を集めながらイベントやたまに発生する戦闘でメンバーの体力が尽きる前に帰還するというミニゲーム系。

ⒸAniplex, TooKyo Games

シナリオは読み進めるのみで30日プレイしたところで重要そうな選択肢はなさそうに見える。とはいえマルチエンディングでその分岐も大量にあると事前に公開されているのでこの先何かしら分岐要素が待っているはず。
シナリオパートはよくある立ち絵とテキストの会話シーンばかりでなく、スチルと動くカットシーンが豊富だったのが印象的だった。日常パートなどはフルボイスではないけどもシナリオパートは基本ボイス付き。
主要なキャラクター数はそれなりに多いけど安定の良い意味で狂った個性的なキャラクターばかりだからすぐに覚えられるだろう。

・戦闘システム
マス目を移動するターン制のタクティカルバトル。学園を守るバリア装置を防衛するのが主な目的になる。

タクティカルバトル
ⒸAniplex, TooKyo Games

ウェーブ制で勝利条件を達成したら次のウェーブに進む。ウェーブごとにキャラクターは回復し、戦闘に関するゲージもリセットされるため次ウェーブに備えて温存する必要はない。ただし、バリア装置が受けたダメージは引き継ぐからバリア装置は優先して守りたい。

1ターン中の行動回数はキャラクター全員で共有しているAPで管理される。
1人で何回も行動すれば他のキャラクターを動かせずターン終了することもあるけど、移動量や攻撃範囲、配置の関係からよく考えて複数キャラクターを動かすことになり、1人だけ強くして無双するって展開にはなりにくいと思う。
APを消費しない代わりに共有ゲージの消費と1ターン動けなくなる必殺技、中型級の敵を倒すとAPが回復するといった要素から行動順など考える戦略性がある。

敵の数は多い代わりに自軍は範囲攻撃持ちばかりで、数の多い小型の雑魚敵は体力が低いため一掃できる。それでも限られたAPで迫ってくる敵から上手く処理していかないと囲まれ袋叩きにされるため油断はできない。

範囲攻撃で一掃が気持ちいい
ⒸAniplex, TooKyo Games

自軍キャラクターは瀕死になったときだけ使える必殺技(決死必殺)がある。使うと戦闘不能になってしまうがAP消費なしに使える強力な技で次ウェーブになれば復活するし、味方が戦闘不能になれば必殺技や共有スキルを使うためのVOLTAGEゲージを獲得できるため使いやすい。
通常この手のタクティカルバトル形式は物量が重要で戦闘不能者が出ると形勢が傾いて立て直すのが大変なんだけど、戦闘不能者が出ることで逆に優位な状況になり得るのはおもしろい。

感想(ゲーム内30日プレイ時点)

※30日進めたところまでの内容を含みます。シナリオに関する重要なネタバレはなし。

やっと主要キャラクターが揃ったあたりだからここから大きく話が動いていくのだと思うけど現状シナリオについては期待を裏切らない導入と進み方で文句なし! というか30日プレイした時点では謎と伏線が膨らむばかりでわかったことなど何もないので文句の言いようがない。
実は外の世界がもう滅んでいようが、実は仮想世界の出来事だろうが、実は舞台が地球外であろうが驚かないつもりだけど驚かせてくれることを期待してる。

正直プレイ前はシナリオ目的で戦闘はあまり期待していなかったけど全然おもしろかったのが嬉しい誤算。強化要素はあるものの敵の処理順と行動を予測する戦略性が重要で、本来ピンチになるはずの自軍メンバーの瀕死・死亡が決死必殺などによって不利にならないのが新鮮でここはかなり良い。共有APでメンバーが減ってもトータルの行動回数に変化がないのも含めて戦闘システムはよく考えられていると思った。

ダンガンロンパとかではこれまで主要人物が処刑されてきたけど、今回は敵の部隊長に対してトドメを刺す側となっている。それも誰に執行させるか選択させるってのが性格が悪いよね(誉めてる)。
エンディング分岐の条件になり得ると思ってまずは無難に拓海にさせてるけど、感情移入するキャラクターによってはやりにくそうだ。怠美なら嬉々としてやってくれそうだけども。
怠美はわかりやすく狂ったキャラクター過ぎて逆に惹かれてなかったんだけども、メンバー間で衝突してるときも隙あらばデスゲームが起こることを期待してる一貫した様子が徐々におもしろくなって今は一番気に入ってるかもしれない。怠美が極限状態になって絶望してるとこ見たいなぁ……

隙あらばデスゲーム
ⒸAniplex, TooKyo Games

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