神無迷路ネタバレありシナリオ考察とクリア後感想

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※ネタバレが多分にありますので既クリア推奨です

シナリオ考察

難解な部分があるので個人的なシナリオの理解と考察を書き残しておきたい。

・アルバイトのメンバー選出
波立、霜月、蕗屋が平行時空を認識できていたから事前に何か調査があって素質のある人間が選ばれたと思われる。

雪村は爆弾を持ち込むために用意されただけ、斉藤も雪村に付いてきただけで素質はなさそう。この二人は小酒井の根回しだろう。
黒川は恐らく偽名で侵入しているだけだから、登場しない本物の黒川は素質があったのかもしれない。

・爆弾はいつ、どうやって爆発させた?
爆弾を持ち込んだのは雪村。小酒井の指示で義足に入れておいた。
爆弾は加速度センサーが入ったもので地下2000メートルの最下層から上昇しだすと起爆する仕組み。
エレベーターで地下へ降りるとき、あらかじめ何かしら仕掛けていたであろう方法で明かりを消して暗闇の間に爆弾をエレベーターに仕掛けた。
その後、雪村は誰もいない間にB6階へエレベーターを移動させてもう一度呼び戻すところまで指示されていたのかもしれない。B6階から呼び戻されたとき設定された加速度を検知して動作、爆弾は爆発する。

エレベーターでB1階行きとB6階行きの2組に分かれるパターンは2つあるが、どちらでもB1階に行くのは雪村と黒川。
雪村は爆弾を設置するタイミングが決まっているから必ずB1階へ行く組に入るし、黒川は研究データを盗む目的があるから必ずB1階へ行く。
2つのパターンで爆発する時間にズレがあるのはB1階に波立と霜月がいるときはエレベーターを動かすタイミングが慎重になったから遅れたと考えられる。

爆弾のサイズが義足に入るようなサイズに見えなかったのは目の錯覚ということにしておこう。

・若林殺し
波立が管理者用の鍵を手に入れるために整備室を訪れて殺害。
波立の推理通り黒川が殺害した世界線もあったかもしれない。

・武田殺し
波立が隣で眠っているときに鈍器で殺害。

・黒川殺し
波立が武田殺しのあと刺殺したと思われる。即死はしなかったが4号室に逃げ込んだあと死亡か?

・消えた霜月
武田や黒川と同じく隣で眠っているときに殺された? ベッドに血がないから絞殺?
【60:犯人は霜月】チャートで「彼女は間違いなく、下にいるんだ」という思考のあと身投げしているので水没した昇降路に捨てたと考えられる。
何にせよその後空間の崩壊が起こっている(=観測者がいなくなった)ので霜月は死んでいるはず。

・雪村殺し
波立が霜月を殺したあと、管理者用の鍵を使って部屋に侵入して殺害。
死因は不明だが整備室から持ち出した短剣が凶器だろう。霜月の部屋のシャワーが使われたあとだったのは返り血や短剣に付いた血を洗い流したと考えられる。

・殺人犯(波立)の目的
暗黒物質が存在しない地下研究所から観測者を皆殺しにして神無空間を生み出し、研究所の存在をなかったことにする。
いずれ人類が神無空間を発見し利用することで文明が滅び、宇宙全体が崩壊することを防ぐため。

9年前に小酒井が家(月漣教の本部?)に放火し死亡したことで神無空間の研究進捗は中断することになったが、運命の分岐点で神無空間が発見される世界線が生まれてしまった。

・小酒井の正体
月漣教(超能力、予知を研究する機関)の真柱。
真柱は未来を予知する能力、平行世界の影響を受けやすい選ばれた人間のこと。波立や霜月も真柱の素質があると考えられる。
小酒井は月漣教の教主に引き取られているので本名は違うはず。

真柱であると同時に本来存在してはいけない神無空間が発見される世界線のエラーを修正する宇宙の意識存在となった。

・運命の分岐点
1年前の列車事故。
清水トンネルで脱線事故を起こしたことで神無空間発見のきっかけになる。

クリア後の感想

1周目はほぼ一本道でB6階へ行き平行世界の話を知る導入で、そこまでプレイした時点では結構あっさりストーリーな印象だったけど、2周目からは分岐が増えて殺人事件、研究を狙うハッカー、おかしくなる世界と緊張しっぱなしだった。

殺人事件パートに関してはプレイ中に登場人物の行動や地図一覧を眺めて実は死んだ人が生きているんじゃないか、水没していない空間があるんじゃないかとかトリックをいろいろと考えさせられたけど、終わってしまえば複雑なことは何もなかった。
見た目でかまいたちの夜ライクとわかるからミステリー重視を期待していたら拍子抜けさせられるかもね。

科学系の小難しい話はあったけどシナリオは完成度が高く、フローチャートが上手く作られているから関連性がわかりやすかった。
運命の分岐点で列車に乗るルートに入ったらフローチャート【1】に繋がるとか、鏡を見て【106】に繋がって【110】迷路の終点へ向かうチャートとか、フローチャートを上手く利用していて感心した。

フローチャート

フローチャートからのジャンプ機能、分岐点の有無やロックされた選択肢の見える化、既読スキップ可といった周回前提に合わせた操作感もよかった。
わかりやす過ぎて分岐に迷うことなく一本道になってる感じや選択肢埋めが作業になってしまってる部分はあったけど、そこは人によって求めるところの差だろう。

あと強いて言えば設定的にわりと何でもありな展開が出来そうだから、かまいたちの夜の大阪エンドやサブストーリーみたいなとんでも展開まで見てみたかったかな。

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