さいはて駅-黄昏電鐵- レビュー&クリア後感想

以前プレイした『さいはて駅』のDLC黄昏電鐵がリリースされたのでレビュー&クリア後感想。
本編クリア後を前提としているゲームのため、この記事も本編クリア後を前提として書く。

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レビュー

ストーリー概要

現実世界を放り捨てて異空間に残ることを決めた二人だが(本編エンドZ)、突然列車が走り出し終点に向かう旅がはじまる。旅の中で立浪シオンの過去に触れ本当の幸せを探しに行く。

立浪家の厳しい家庭環境、複雑な家族との関係、春夏冬ハルとの出会いを追憶し本編の立浪シオンが生まれた経緯を知ることになる。

ゲームの特徴

追加DLCの本作はおまけストーリーとかではなく本編に大きく関わる真相が含まれるため、ここまでセットで一つの作品と言ってもいいものになっている。

本編と変わり操作キャラクターは立浪シオン。操作感は変わりなく会話ボタンでハルとその場に応じた話をすることができる。
状況に混乱し冷静でないことの多いシオンとどこか吹っ切れたようなハルは本編とは立場が逆転した感じで新しい関係性が見られる。

不安なシオン、呑気なハル

本編と比べたら二人の何気ない雑談は少なめ。本筋がシオンとハルのいちゃいちゃ(?)よりシオンの家族関係、特に妹のアオイに寄っていることからブロマンスな印象は薄めになっている。とはいえ、二人の関係性をより深く理解するためのストーリーは十分にある。

ゲームとしては探索と会話、たまに追いかけっことQTEがある。
探索中の謎解き難易度は易しめ。本編の内容を思い出すところがあるものの本編起動すればすぐに確認できるものではある。追いかけっこも難しくはない。QTEは他より難易度が高くなるけど失敗時のリトライはすぐにできるから全体的に遊びやすくなっている。
抽象的な表現が増えてるから何気なく読み進めているとストーリーの理解が追い付かないかもしれないのは注意。

やり込み要素としてゲーム内実績がある。タイトル画面にある『追憶の部屋』が解放されると実績解除条件の確認ができるのでこの世界にもっと浸りたいなら回収するといいだろう。
本編になかったCG回想とチャプター選択があるので振り返りがしやすく、エンディング楽曲と雰囲気はとてもよくCG回想で見直せるのはありがたい。

1周のクリア時間は3時間ほど、エンディングは2種類で最後のセーブポイントから行動次第で分岐するのでエンディング回収はすぐにできる。
無料だった本編と異なり本作DLCは有料になっているけど、ここまでセットの価格と考えれば安いもので本編が気に入ったなら後悔しない出来になっているのは間違いないと言える。

クリア後感想(ネタバレあり)

本編の続きということで、覆しようがない罪を犯しているシオンの物語をどう締めくくるのかというプレイ前の期待と不安にしっかり答えてくれたように思う。
シオンのしたことは許されないことではあるけど過去を追憶しあの家庭環境と境遇を見てからなら一定の理解をすることはできた。

メインは立浪家に関する話だったと思うけど、ハルに関してもシオンがハルに惹かれた理由付けなど本編で不足してたと思われるところが補足されたり、ハルが前向きに物事を考えるようになることで起こる二人の関係性の変化など見応えがあった。
作中では描かれていないけどアオイがハルと付き合うようになったのはシオンと似ている部分があったからなのかなとか想像を膨らませてくれた。

2つのトゥルーエンドはどちらが正しいとか良いとかいえるものでなくこの世界だからこそ両立できるもので上手い着地点といえる。個人的にアオイへの思い入れが強く、アオイのことを知るほどにアオイにはもっと救いがあってほしかったなと思うところがあったから最後には二人で話せて一緒に帰れてよかったと思えた。

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