東京サイコデミック クリア後感想(ネタバレあり)

※事件の詳細やシナリオのネタバレに関する内容が含まれるので既クリア推奨

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科学捜査パートについて

捜査部分について思うところはCase2までプレイしたときのレビュー記事とそう変わらない。
紅葉に指示されたとおりに操作して不審な点を洗い出し、優秀な仲間に助けられて事件の謎を解いていく流れはほぼ最後まで続く。科学捜査シミュレーションをしてる雰囲気のアドベンチャーゲームだと思う。

画像解析はいろいろ惜しいもので高倍速かシークバー移動のどちらかはやっぱり欲しかった。
動画の内容についても数ある候補から特定のシーンを切り抜くって内容なら解析してる感じはするけど、ほぼ人通りの少ない防犯カメラの映像からターゲットが通過した瞬間を捉えるってだけだから悩むことがない。何も映ってない無の時間が長くてそれが2倍速までしかない問題と被ってストレスになってしまった。
中盤から出てきた音声解析は特定の周波数だけを拾って聞き逃しそうになる音声を見つけ出すといった作業はこのゲームで一番科学捜査してる雰囲気を味わえて楽しかったけど惜しむらくは使う場面が少ないことだ。
あと文書からキーワードを拾うとこは総当たりで見るしかないからおもしろいとこなし。あの注視してるときの音楽とSEに違和感あったのは自分だけか?

共に捜査をする仲間についてはmechanicが抜けて優秀過ぎてもうあっちが主人公といっていい。bartenderも専門知識が役に立つ場面が度々あるからまだいい。Oddはもっと活躍の場を与えることはできなかったんだろうか? というかあの子はもう異能力者だろうに。

各事件・シナリオについて

超常的な力を見つけられなかった一周目の各事件を超常的な力が関わった前提で最後に見直すって展開は嫌いじゃない。が、異能力者がいたことを知れたのはリークで資料をもらって存在を確認できたからで結局のところ主人公たちは科学捜査の力では異能力者を見つけられず見逃していたことになる。どこかのタイミングで科学捜査によって異能力が働いたことを見つけ出す展開になることを期待していたがそんなことにはならなかったね。それこそOddが何かを感じ取って異能力の存在になんとなく気付くってきっかけでもあればよかった気がする。

Case2の強風が条件の犯行とか、Case3の停電によって警察の捜査がぐだった件とか狙ってできない事象が実は異能力で発生させたものだと睨んでいたがどうやらそんなことはないようで何も説明ないから本当に偶然条件が揃っただけらしい。

Case2なんて強風を利用する知能犯行なのに防犯カメラの前で堂々とドローンを飛ばすマヌケさには一周目から不思議に思ってたし、二周目で操られていたことを知るとどうせそのあと自殺させるなら条件付きドローン飛ばすなんて手間かけなくてもどっか高いとこから自分の手でばら撒けばよかったように思ってしまう。
Case3は異能力者の新那を強請るために呼び出されたはずが何で副総理まで付いていってるとか秘書が死んだ経緯などわからないまま。Case4はもうテロだろうに混乱する世論とかそのあたりの描写が一切ないのは日本を変えようとした神蔵のした結果がどうなってるのか何も見えてこない。というように色々と消化不良感がある。

Case5ラストのゲームについては残念だけど理解できなかった。
5枚のカードを渡されてポーカーの役を作るんだって思いつき、そこから10~Aのストレートを作ることになるのは紅葉がメタいヒントを出すからゲームとしては成立するけど実際ノーヒントでその発想になるかって疑問で、さらにそこから物証を当てはめるってのも神蔵がこっちの持ってる物証を把握してないと無理なわけで、演出面とかリアリティを重視してそうな作りだったのにいきなりすごいゲームっぽくなったのは違和感があった。
その物証当てはめも一部総当たりでなんとか当てるまでわからず、答えがわかってもやっぱり意味がわからなかった。
ラストゲームの神蔵の目的もわからず、もし撃たれてなかったらどうしてたんだって話だ。主人公たちが謎を暴いたところで政治家になるわけでもなし世の中何も変わらないぞ。

ゲーム開始時点で既に解決済みの感染症の設定がどうシナリオ内で回収されるかって最初に感じる疑問とかちゃんと解消されてすっきりする部分はあるし、終盤にオンライン上でしかやり取りのなかった仲間が集合する良いシーンとかあるんだけど何かいろいろ惜しいまま終わってしまったね。

続編につづく・・・?

まさかのTo Be Continued…
岩井所長が釈放されたようで目的は達成されたが主人公たちはまだいるかもわからない自力で見つけられなかった異能力者を追うのだろうか? プレイヤーとしても他人を操れるEがどこかで関わってるかもって思いながら今後の事件を捜査するのきつそうだ。

ゲームであんまりコスパがどうのって考えたくはないんだけども定価6000円でプレイ時間が10時間未満だったのは物足りないかな。画像解析の無の時間とか考えたら体感はもっと短く、クリア後もCaseごとに事件のやり直しは出来ずセーブ枠が3つだから振り返りもしにくい。スキップできない演出とかテキストの早送り機能がない(実装予定らしい)とかもあって繰り返しプレイも不便だ。
実写映像の解析とか演出面は力が入ってることはわかるけど今のとこは続編が出たとして同価格帯の同ボリュームそうだったら一旦保留で様子見したいかな。

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