この事件は超常現象か科学・物理現象か?:東京サイコデミック レビュー

科学捜査で未解決事件の解決に挑むリアル科学捜査シミュレーションゲーム東京サイコデミックをCase2までプレイした時点のレビュー。

Steamの他、PS5 / PS4 / Nintendo Switchで発売中。自身はNintendo Switch版でプレイ。

ストーリー

未知のウィルスによるパンデミックが発生してから3年後、事態が終息したあとの東京が舞台。

パンデミック
© GRAVITY GAME ARISE Co., Ltd.

その後なぜか超常的な事件が多発するようになり、とあるカルト集団を追っていた主人公たちは超常的事件とカルト集団に関わりがあると見て未解決事件の解決に挑んでいく。

科学捜査パート

主人公は公的な組織ではなく仲間・協力者から事件に関わる資料を(たぶん違法なルートで)手に入れる。勝手に送られてくるから情報を得るために移動したりといったことはほぼなく、ひたすら資料や写真を眺めたり、動画を流して怪しい場所を見つけたり捜査することになる。

有能な仲間たち
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足りない資料や新たな情報の詳細などはネット上の仲間たちが助けてくれる。
専門知識が必要になったらすぐに資料を送ってくれるし、監視カメラを見たくなったら即ハッキングする優秀過ぎな仲間たちに主人公の存在意義が心配になるほどだ。
ちなみにパッケージのキャラクター紅葉巴杏(あきばともな)は主人公ではなく、隣でサポートしてくれる助手みたいな役割。

パッケージ
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主人公は喋らず立ち絵もないゲーム開始時に名前を付けるプレイヤー扱いだが大体は紅葉が言ったとおりに捜査を進めるし、Case2時点では主人公の経歴とか何も語られないから本当に主人公の存在意義はないように感じる。

集めた情報をエビデンスボードに貼ってまとめて最終的に各謎に対しての回答となる資料を選択することで報告書をまとめて事件を解決に導く。

エビデンスボード
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事件現場の写真や動画の検証は実写映像を使うから本格的に捜査している雰囲気がある。
ただ、数分間の動画から特定の瞬間を見つけ出すために動画を睨み続けることになる。早送りは2倍速までしかなく、シークバーは動かせないし30秒送りはあるけどこれをすると大事な部分をすっ飛ばす。さらに何の情報も得られないハズレ動画もある。

動画検証
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本格的な捜査をしている雰囲気は結構だけどゲームとしては退屈な時間となってしまっているのは残念だ。

いろいろな捜査ツールと膨大な資料数から本格的な謎解きゲームに見えて、Case1(第一章)は先に書いたとおり紅葉の進言に沿って操作したまま終わってこれはまだチュートリアルだからかと思ったのだけど、Case2になってもその流れは変わらなかったので公式ジャンルは『リアル科学捜査シミュレーション』となっているが、実のとこ科学捜査をしてる風のレールに沿ったアドベンチャーに感じてくる。

随所で感じる遊びにくさ

・セーブのタイミングが限られている
Nintendo Switchでプレイしたから問題はなかったけども、セーブができるタイミングが決まっていて会話パートとかは途中セーブができない。特にゲーム開始時はストーリーの導入や諸々説明などあってセーブ可能地点まで数十分かかるのでSteam版とかは時間を作ってから始める必要がある。

・テンポの悪さ
科学捜査パートの動画検証もそうだったけど何も得られない、操作できない時間が目立つ。
Case毎に入ってくるOPとED映像はドラマっぽい雰囲気はあるけど冗長で、EDに至ってはたぶん同じ映像なのにスキップもできない。
会話パートのテキスト早送りや自動送りはなく、オプションで変更できるのはサウンド設定だけでテキスト関連などはない。

などと書いていたら公式に早くもこれらに関わる『今後の改修・改善につきまして』というお知らせが出ていた。発売二日目でこの対応ってことはよほど指摘を受けたことを察する。

今後の改修・改善について
感想(Case2までのネタバレが含まれます)

実写映像は力が入ってるしストーリーの先は気になって楽しみにしているけど、思ってたゲーム性(リアル科学捜査シミュレーション)とは違ったから見かたを変えてストーリーを追うアドベンチャーゲームをする気持ちで進めようと思う。
Case2までの事件内容については安楽椅子探偵モノっぽいから仕方ないけど直接犯人と対峙することはなく、なんなら犯人を特定するって目的でもなかったわけで、事故と容疑者の自殺という結果で犯人を逮捕するってことができていないから何とも達成感が足りてない。そろそろストーリー的に転機が来ることを期待したいな。

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