阿納ウニオ氏制作の無料ノベルゲーム『Fix My Junk.』レビュー&感想。
公式サイト:Fix My Junk./UNIO ANOU
Windows版/ブラウザ版:ノベルゲームコレクション
Mac版:BOOTH
レビュー(ネタバレなし)
・ストーリー概要
アンドロイドの修理士(主人公/名前なし)が依頼されたのは訳あって壊れかけまで放置されていたアンドロイドの修理だった。破損個所が多く年代物のため数日かけて修理することになり通っていく日々で依頼主とアンドロイドのことを知っていく。

・ゲームの流れ
テキストベースのノベルゲームで依頼主やアンドロイドとの会話、合間に選択肢が入ったあと修理作業がパズルゲームで行われる。これを数日繰り返す。
パズルは日々内容が異なって条件に一致する部品を当てはめる、間違い探し、迷路など様々だから難しすぎるってことはないのに内容が変わるから退屈に感じないのが良い。ミスしてもペナルティはなく公式サイトにヒントと答えが分けてあるので困ったらそちらへ。

オプション機能はなくメッセージ速度や音量の調整はなし。スキップ(早送り)はあるものの既読のみスキップはできないから読み飛ばさないように注意。
・プレイ時間とエンディング分岐
クリアまでのプレイ時間は約90分。
エンディングは3つで特定の選択肢によって分岐する。
感想(既クリア推奨・ネタバレあり)
不具合をずっと放置されていたアンドロイドということで一体どんな悪い奴が持ち主なんだと思ったら普通に優しい人でアンドロイドとの関係も良かった。それが逆に不気味な雰囲気に感じたのが序盤の印象。
修理作業が順調に進み二人の親子みたいな関係性にほのぼのしながらもDAY3の終わりにはハリマがデータ上は廃棄済みで所持者がミオマルじゃないことが判明して「やっぱり訳ありじゃないか!」とまた不安にさせられた。こういう不安と安堵の起伏があると物語を読み進めていく上で楽しいと思える。
しかし最後までプレイして改めて見ると、そういえばハリマってちゃんとデータ上に残ってる公的なアンドロイドだったんだろうか? ハリマの知識が上書きされる前のアンドロイドのデータだとしたら相当古いものだしそりゃあれだけ壊れるわけだと納得する。
後半のハリマがアンドロイドになった経緯やミオマルが自身を人間と思い込むようになった事情を知る展開はわりと胸糞な話でちょっと辛い。エンド3が一番すっきりするエンディングだけどもエンド1の終わり方はなんか美しいと思えて一番好きかもしれない。
でも元はと言えばPC部屋で迂闊にもミオマルに見つかったせいでややこしいことになってしまったような気がする。
ゲーム的には特筆するとこはあまりないけど、序盤の修理作業で外した髪を手入れするかそのままにするといったハリマの気持ちを汲むかどうかみたいなロールプレイを迫られる選択肢は好み。こういうのがあると感情移入しやすいから真剣に悩んで選択肢を選ぼうって思えるよね。
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