超探偵事件簿レインコードのクリア後感想(ネタバレあり)

ダンガンロンパ系統を継ぐ新作『超探偵事件簿レインコード』をクリアしたので全体通しての感想レビューを書くことにしよう。もちろん、ここから先はクリア済み前提のネタバレありの話となる。
あと一応、ダンガンロンパシリーズのネタバレになりそうな表現も含まれるので注意。

ネタバレなしのレビュー記事は以下。
【関連記事】超探偵事件簿レインコードについて10のこと

では各話に分けてプレイ中に思っていたこと、クリア後の感想を書き連ねよう。

第0章 アマテラス急行殺人事件

6人の探偵が集められて起こる連続殺人。
この展開が始まったとき、ダンガンロンパの外伝小説『ダンガンロンパ霧切』を思い出すことになる。事前にファミ通のインタビュー記事でダンガンロンパ霧切の著者であるミステリー作家『北山猛邦』が今作のトリック考案で参加していることは知っていたし、小説のネタバレになるから詳細は書かないけども、いくつか類似点があったからだ。もう霧切響子(ダンガンロンパのキャラクター)が登場しても不思議じゃないと身構えていたよ。

列車を運行している企業がグルな列車入れ替えトリックはズルいと思ったけど、事件の隠蔽と捏造やりたい放題の大企業を敵に回すというテーマを知らしめて理解させるという点では鮮やかな第0章だろう。

血痕

この事件の被害者を出血のない焼死にして、唯一ユーマが付けた血痕が赤くて「今作の血は赤いのか?」と疑問に感じていたが、これをラストに効かせてくるとは誰が思うだろうか。
※ダンガンロンパシリーズの血はピンク色で表現していた

最初の事件で思わぬ人物が退場してしまうというのは伝統とはいえ、発売前に公式サイトで公開されていた四コマ漫画にも登場しているキャラクターたちが大した活躍の場もなく一気に退場するとはね……DLCで彼らが活躍する話とかやってあげて。

第1章 連続密室殺人鬼クギ男

過去に行われた事件を含む4つの連続密室殺人事件。
ルール上リアルタイムの事件しか扱えないダンガンロンパには出来なかったタイプの事件で、超探偵の特殊能力を利用する捜査パートは新鮮でよかった。

通気口の隙間から死体の位置に鍵を投げ入れるって超探偵みたいな特殊能力でもないと難しすぎない? とか思う所はありつつ、北山猛邦得意のなんでもあり物理トリック(機械的な仕掛けを用いて密室やアリバイを成立させる基本的なトリック)やってるなぁと清々しくて感心した。

第1章

ハララは探偵としての能力が高くて徐々にユーマのことを認めていく感じだったからヒロインなのか? と思ったけど全然そんなことなく、以降はユーマがピンチのときに近接戦闘で活躍する役だったね。

第2章 暗黒少女の沈黙

学園内で発生する2つの殺人事件。
最初に起こった殺人事件の犯人への復讐を共犯で実行するというのは殺人事件の題材で言うのもなんだけど熱い。ここまでの2つの事件と違って、犯人と直接会話する量が多かったし動機も同情する内容だったから謎迷宮攻略を躊躇わせられた。個人的には全体通して一番心に残る事件だ。

第2章

事件発生前はクルミが犯人あるいは被害者になる可能性を考えて「それだけはやめてくれ!」と心配してた。なんとか無事で安心したが、その後も登場するヒロインポジションになってくると「最終章かその前の章あたりで退場させられるのでは?」とダンガンロンパ経験者としては余計に心配してしまうのだった。

第3章 探・偵・失・格

一見関係がなさそうな爆破テロ事件と殺人事件の組み合わせ。
なんかいろいろとモヤっとする内容が多くて個人的にはイマイチな事件。パっと思い出した所を挙げてみると

・犯人目線なら爆破テロは陽動が目的だから解除できないようにするべき
・保安部に追いかけられている切羽詰まった場面で、自殺に見せかけるようにこめかみを水平方向に撃ち抜けるものか?
・身内なのに利き手を知らなかった犯人のうっかりで他殺説が挙がる
・画像で見たらそんなに大きくない排水溝へ飛び込む屋上からの脱出方法
・ボートで、しかも一人であんな大きな金庫回収できるか?

QTE(指示されたボタンを時間内に押させるイベント)も多かったしね。QTEミスったとき違う展開があるならおもしろいけどやり直すだけだしさ。この章はフブキの特殊能力で巻き戻してるってことでやり直しは納得するけど、他シーンでフブキいないときのQTEもミスったら特に理由なくやり直してるんだよね。

第3章QTE

そして登場した物語の重要人物マコト=カグツチ。はいはい『マコト』ね。
ダンガンロンパシリーズでは重要な名前になっているもの、でもミスリードの前科があるから疑ってかかるべきだが

マコトカグツチ

ここのセリフは核心に触れすぎだったんじゃないかなぁ。
メニューの人物紹介をわざわざ確認する人はあんまりいないかもしれないけど、ユーマとマコト=カグツチの身長と体重同じなんだよね。

第4章 キミのすべてが0(零)になる

物語の核心に迫っていくたった1つの殺人事件。
「初出の殺し屋が犯人なわけがない」というメタ読みまで含めると容疑者が少なすぎて犯人があまりに絞られ過ぎていたんだけども、この章で重要なのは誰が犯人なのかより探偵仲間総出で挑む話だったり、無気力キャラだったヴィヴィアが実はヤコウのことを大切に思っていて謎迷宮で一時敵対してくるとか含めた演出面なんだろう。

ヴィヴィア

ヤコウが実は裏で殺し屋やってたまで考えていたけど、そこまではなかったか。

ヤコウにはお世話になっていたけど、これまでの事件で相棒役になっていないためか個人的には思い入れが薄かったのが惜しかった。特典の前日譚『超探偵のなり方 ヤコウ=フーリオの場合』を先に読んでたらもうちょっと感情移入したのかな。

あと謎迷宮ラストの死に神ちゃんぶっキルシーンがここに来て変化するんだけど「どうせ同じだろ」って下手したらスキップされてそう。

第5章 そしてボクもいなくなった

カナイ区最大の秘密を暴く最終章。
カナイ区とホムンクルスの真実、マコトの罪、そしてユーマの正体を解き明かす戦い。真実の為に謎迷宮で犯罪者の魂を狩ってきた(殺した)ユーマとホムンクルスとカナイ区の為に犯罪者を集めて人肉にしてきたマコトの関係性とユーマの葛藤は見応えあった。
ずっと誰かの力に頼ってきたユーマが託すという形で最後まで自分のやり方を貫くのは納得の決着だ。

この章で一番衝撃だった点は全住民の入れ替わりかな。このゲームでは血をピンク色で表現しているんだってプレイヤーの先入観を利用した叙述トリックは、ダンガンロンパシリーズでそれを見慣れた既プレイ者としてはアンフェアだって思うところはあるし、やられたって気持ちもある。

ユーマの正体の方は第3章の匂わせがあったから察してはいたけど、あのラーメン屋の小僧が本物のユーマってことまでは流石にわからなかったな。だからってそこは重要な話ではないけども。

どこでも行けそうなピンク色のドア

記憶を失う前の死に神ちゃんと契約するシーン、別れのシーンはくるものがあったね。死に神ちゃんはラスボスになるか、どこかで敵対すると思って警戒してたから良い意味で裏切られたよ。

エピローグ RAINCODE

ユーマとマコトの決着から数か月後、カナイ区から離れる探偵たちとクルミ。
色々と問題は残っている中でマコトが頑張ってなんとかなってる感じなのはいいけど、ホムンクルスが必要な栄養素を人肉以外で接種できるようになってるのはそれもうちょっと早く出来てたら大量誘拐をする必要もなくなるからマコトと敵対することはなかったんだよなぁと考えずにはいられない。
マコト一人だと全住民に真実を伝えるという結論にはならなかったから結末としてはこれが一番よかったんだろうけどね。

エピローグの人物紹介を見るとユーマは死に神ちゃんとのことを忘れているようだけど未解決事件をなくしてみんなを笑顔にするって約束は憶えているし、クルミに手紙は残していたからカナイ区での記憶自体は引き継いでいるんだろうね。ダンガンロンパはプレイヤーの解釈次第の締め方って感じだからこういうスッキリする終わり方は目新しくて心地いいな。

フーダニット(誰が犯行を行った)、ハウダニット(どうやって犯行を行った)、ホワイダニット(なぜ犯行を行った)を解くのが推理モノのポイントだけども、このゲームの謎迷宮で謎を解く気持ちよさは学級裁判とは違う満足感があって期待を上回ってくれた。
続編でも外伝でも、新シリーズでもいいからこの系統の推理モノは続いてほしいね。

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