映画さながらのスタイリッシュな王道カンフーアクションを楽しめるSIFU(師父)をプレイしたのでレビューと感想。
レビュー
ストーリー概要
主人公は幼い頃に師匠でもある父をヤン率いる5人組に殺されてしまう。自身も命を落としかけるが謎の御守りの力によって蘇生。それから8年、復讐のための鍛錬を経て仇たちの根城へ乗り込んでいく。

ゲームの特徴
復讐相手の5人がそれぞれいるステージを順に攻略していく構成で、ステージ内は各ポイントにいる敵を倒しながら次のエリアへと進行していくベルトスクロール形式。複数の敵に囲まれながら位置取り、間合い、環境利用を生かした攻略が求められる。

戦闘システムとしては攻撃面は弱攻撃と強攻撃、コマンド入力で出せる技を組み合わせて繰り出すコンボで攻めて、敵の体力を削り切るか体勢を崩してからのテイクダウンで倒すことができる。
防御面は敵の攻撃タイミングに合わせて攻撃を弾く跳ね返し/受け流し(パリィ)や見切りなどで回避していく。
敵も回避アクションを行い、さらに多数で囲んでくるため攻撃を連打しているだけでは打開は難しい。跳ね返し/受け流しで敵の体勢を崩すこともできるからSIFUは防御が重要なゲーム性になっている。攻撃もダメージを与えるものだけでなく、突き飛ばしたりダウンさせたりして多数の敵を同時に相手にしないようにする手段が大事になってくるのがプレイしているとわかってくる。

そして特徴的な加齢システム。幾度打ち倒されようとも謎の御守りの力によって立ち上がれるが、その代償として年老いていく。
20歳スタートで10歳ずつ増えるたびに見た目が変化し、攻撃力は増えるが最大体力が減る。年齢を重ねることで熟練者となって敵を倒す能力に長けていくが老いによって体力は減っていくというのはおもしろい。ゲームとしても序盤は被弾しまくるだろうが、操作に慣れたり敵の行動パターンを覚えてきたら被弾が減ってくるのでプレイヤーの成長に合わせてキャラクターの性能も変化していくというわけだ。
ステージクリア後も重ねた年齢を引き継ぎながら次のステージへと進み、70歳でやられると完全死亡となってゲームオーバーになってしまう。しかし、前ステージをやり直して以前より若い年齢でクリアすることでその年齢が記録され、次ステージを若い状態で挑むことができるようになる。
全5ステージは短いように見えて繰り返しステージを攻略し若い年齢への更新と経験値で技能を習得していくことになるのでステージ数以上のボリュームになっている。また、メインストーリーとは異なる目的とルールで戦う挑戦的なコンテンツもある。

強化要素は年齢、スコア、経験値でそれぞれ得られる特性と技能。技能についてはアンロックするための年齢上限が一部あるため、それもあって出来るだけ若い年齢で攻略していくことが必要になってくる。若い方が新しいことを習得できるというのも納得できる設定だ。
プレイを始めた頃は攻撃と防御の的確なバランスがわからず、このタイプのゲームでは慣れないコマンド入力のある技や対多数のアクションには苦戦したものの、繰り返しステージを攻略することで敵の行動パターンを覚え、クリア年齢を更新することで上手くなったことを実感しながらいつの間にか格好いいカンフーアクションを決められるようになっているのが楽しいゲームだった。
ストーリーはそこまで多く語られるものはなく重視されていないようだけど、古典カンフー映画といったらラスボス倒したらいきなり『終劇』でエンディングを迎えるイメージだからそこも含めて王道って感じで納得した。
最後に不満点も挙げておくと、コマンド技はそれなりにあるけど結局使うのは使い慣れた定番コンボになりがちで各種使いこなすのは相当難しいところ。あと多数の敵に囲まれている中でコマンド入力しているとターゲットが勝手に変わってぐちゃぐちゃになることがある、ここはターゲットを固定するロックオン機能がほしかった。
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