インディーゲームの定義はクレジットのボリュームにしよう

大手企業のゲームに劣らない高品質なインディーゲームが出てくるようになっても開発者が「これはインディーゲームだ」と名乗ったらインディーゲームになる時代。

「2024年もっとも成功した“インディーゲーム”は『黒神話:悟空』と『パルワールド』」との調査報告。インディーかどうかはともかく、非AAA業界はぐんぐん成長(AUTOMATON)

今年異例の大ヒットをして制作予算約100億円と言われる黒神話:悟空がインディーゲームと言われててもう何がなんだかわからない。次点のパルワールドも約10憶円だ。

曖昧なインディーゲームの定義

ウィキペディアでは『大規模なパブリッシャーの資金援助を受けず、個人や小規模なチームによって開発されたゲームソフト』とあるけど、いくらまでの資金援助だったらとか何人までだったら小規模と言えるとか明確な解答はない。

直近で行われる日本のインディーゲームイベント『東京ゲームダンジョン』の出展条件には『日本国内でデジタルゲームを制作する個人または小規模チームであること』とあり、どこまでが小規模なのか表記はなくて資金面には触れていない。
世界最大のインディーゲームイベント『Independent Games Festival(以下IGF)』の応募規則によると『独立系ゲーム開発者がインディーズ精神に基づいて製作されたもの』とめちゃくちゃ曖昧な条件になっている。でも『インディーと名乗ったらインディー』という現状を指す解答ともいえる。

曖昧なままでいいのかもしれないけど、冒頭の参考記事にあるレポートのとおりインディーゲーム市場は大きくなっていて東京ゲームダンジョンのような新しいインディーゲームイベントは増えて、ゲームオブザイヤーのインディーゲーム賞のようにインディー枠で表彰されるようにもなっている。
小規模のゲーム開発者にとってイベントやゲーム賞はインディーゲームという枠で自作ゲームを知ってもらう貴重な場になるし、IGFは賞金だってある。そこに黒神話:悟空のような周りとは比較にならない規模のゲームが現れたらモヤっとするだろう。

とはいえ、リリース時はインディーだったものが大ヒットして大手企業が関わって商業化する最たるものでマインクラフトみたいなパターンがあるし、最初からメーカー内でインディーゲーム制作向けの小規模チームで作られたものだったり新人研修として作られたものだってあるから単純に開発元の資金や制作費用で定義するのはむずかしい。

そこで記事タイトルになる。じゃあクレジットのボリュームで定義付けするのはどうだろう?
クレジットは制作に関わった企業やスタッフが多ければ増えるから小規模であればちゃんと少ないし、制作費用が高ければそれだけ関わる人も増えるから多くなるはずだ。
具体的な数字は精査しないといけないけど、例えば企業とスタッフ合わせて50人あるいはエンドロールが5分未満ならインディーゲームとかね。ついでに同じく曖昧なAAAタイトルとかも定義してくれないだろうか。

最後に余談。日本には同人ゲームというインディーゲームとは似て非なるものだった文化があるけどダウンロード販売や商業化がしやすくなり今となっては区別が難しくなってしまった。二次創作だったりRPGツクールのようなゲーム制作ツールで作られたものを見ると同人ゲームだって感じちゃうんだけど昔とはゲーム制作の環境が違うからそれも違う気がする。といっても日本独自の同人ゲームなら別に定義付けしなくていいしこれこそ作った人が同人ゲームと言ったら同人ゲームでいいんだろうなと思う。

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