懸念していたことはクリア出来ず、Google Stadiaサービス終了が決定

Googleがクラウドゲームサービス「Stadia」のサービスを終了すること発表した。
ハードウェア(ゲーム機)を購入しなくてもコントローラーとモニターがあればGoogleのクラウドサービスを介してストリーミングでゲームを遊ぶことができるということで、ゲーム機がいらなくなる時代がやってきたかと話題になったものだ。

【当時の参考ニュース】
Googleのクラウドゲームサービス“Stadia”をいろんな場所で使ってみてわかった、技術的・ビジネス的課題(ファミ通.com)

3年前、Google stadiaのサービスが開始される前に自身のブログ(移転前)でも取り上げて課題となりそうな点をいくつか挙げていた。

【過去記事】
Googleの「Stadia」が新たなゲームプラットフォームとなるためのハードル(旧・ゲームログブック)

  • Stadia専用ソフト
    ライバルとなる任天堂やソニー製のソフトは当然遊べないし、ユーザーを惹き付けるローンチタイトルの有無は新たなプラットフォームの出だしには絶対必要であることはこれまでのゲームハードの歴史から見ても明らかだった。
    当時サービス開始前にはStadia向けゲームの開発が進められている話はあったが、2021年にはStadia専用ゲームの開発を中止したことが発表された。
    『Cyberpunk2077』、『レッド・デッド・リデンプション2』など大型サードパーティタイトルはプレイできたようだが、結局は他のプラットフォームでも遊べるためあえてStadiaを選択するという理由にはならなかった。
  • 遅延や画質
    日本でサービス展開されてないため情報はあまり入ってこないしインフラ環境が異なるだろうけど、常にオンラインでないといけない仕様上、ゲームの混雑具合や通信状況によって遅延が発生したり画質が低下するのは避けられなかったらしい。
    日本の話なら最近だとNintendo Switchで『キングダム ハーツ』シリーズがクラウド版で発売、それ以前にも『バイオハザード7 レジデント イービル』や『アサシン クリード オデッセイ』がクラウド版で発売されていた。いずれもStadiaと同じような状況で場合によって遅延や画質の低下があるようだ。
    ゲームによっては気にならないのかもしれないけど、人それぞれのインフラ環境やその時々の混雑具合によって品質の変化するものを購入するのは勇気がいる。間違いのないパッケージ版、ダウンロード版があるのなら多くの人がそちらを選ぶだろう。
  • 料金体制
    過去記事を書いたときはまだ料金体制の情報が出ていなくてゲームパスのような月額制で遊び放題を期待していたが、実際は月額9.99ドル(当時なら約1100円)でさらに各ソフトをプレイする権利を購入することになった。
    ゲームパスと比較してしまうと月額料金を払いつつ別途ゲームを購入(プレイする権利)しないといけないのはお得感がない。
    あとこれはサービス開始前から公開されていたけど、コントローラーはStadia専用のものが必要でこれが69ドル(当時7600円)、ゲーム機を買うより全然安いとはいえStadia専用のハードが必要だというのも当初の専用ハードウェアが必要ないという魅力から離れてしまったように思う。
Stadia専用のコントローラー

サービス開始前に懸念していたことは3年経った今見ても、ユーザーが満足のいく結果にならなかったのだろう。結局、日本へ上陸することなくサービス終了が決定してしまった。
既存プラットフォームでクラウドゲームサービスはオプションプランみたいな感じで展開しているし、これでクラウドゲームサービスの時代が終わったとは言えない。
きっといつか、もっとインフラの発展とかゲームの実機を持つことへの意識が変化して、ゲーム機がいらなくなるかもしれない時代の流れはまたやってくると思う。
そのとき、Stadiaってあったなぁと思い出し、あれは世に出るのが早すぎたんだって言われるのだろうな。

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