存在/しないあなた、と私:レビュー&クリア後感想

まえがき

意味ありげなタイトルとキャラクターデザインに惹かれ、低価格=短編だろうからサクッとやれそうだと購入していた【存在/しないあなた、と私】をクリアまでプレイしたのでレビュー。

レビュー(ネタバレなし)

・ゲーム概要
謎の少女リリスが主人公の所にやってきて突拍子もない会話と出来事が次々と起こるサイコなビジュアルノベル。
序盤からメタフィクションであることをオープンにしてきて、それをいいことに滅茶苦茶なことしてくる。ゴールが見えないリリスとのやり取りの行く末は・・・?

存在/しないあなた、と私 リリス

・ゲームの特徴
テキストを読み進めて選択肢を選ぶオーソドックスなシステムだけど、そのテキストと選択肢が哲学なんだかサイコなんだか微妙に判断しにくい表現が並び続ける。

存在/しないあなた、と私:選択肢

果たしてこの文章や起こってることに意味があるのかないのか迷わされながら、自身をゲームのキャラクターと認識しているリリスがどういった行動をしてくるのか警戒しつつ物語を読み進めていくことになる。あと、ストーリー上で特に重要ではないだろうけどミニゲームもある。

リリスのみだが日本語ボイス付き、簡素ながらライブシーン(歌付き)あり、ゲーム購入時に無料でサントラも付いてくる。スチルは多くないけど価格に対しては十分に豪華だといえる。

マルチエンディングの周回前提となっているが、あまりの選択肢の多さと終盤までの変化の少なさからどうやって分岐しているのか直感的にはわかりにくい。
任意セーブなしで章が進むごとに自動セーブされる仕組みだから、未到達エンディングに辿り着けなかったときのストレスが大きかった。
Steamのガイドに攻略用ページがあったので周回時はそこを参考にさせてもらった。

【攻略ガイド】※中国語なので要翻訳

Steam Community :: Guide :: 《不/存在的你,和我》全成就指南
存在的你,和我…

クリア後の感想(ネタバレあり)

レビューで書いた通り価格のわりに豪華だったし、キャラクターは魅力的で作中に語られる自我と他者、現実とゲーム世界の差みたいな部分の哲学っぽい話は興味を持てる内容ではあったけど、メタフィクションの部分は個人的にあまり刺さらなかった。

リリスは画面の前のプレイヤーに話しかけてくるいわゆる『第四の壁を突破』してくるキャラクターにしては、自分のゲームキャラクターという役割を受け入れてる。
どのルートにしてもプレイヤーの意思を尊重してくれて、プレイヤーに何かしてほしいとか逆らおうとか何の自我も感じなかった。それはリリスというキャラクターがプレイヤー自身の脳内キャラクター、あるいは別人格みたいな扱いであるような示唆があったと思うからそうなっているのかもしれないけど、プレイヤーとしてはリリスに何かしてあげたいと思わされるのに何も求められず、ベストだと思われるルートでも時間切れでさよならをするしかない結末に、どこかモヤモヤしたままな気持ちが残された。

存在/しないあなた、と私:リリス

序盤にリリスに言われる「私を作られたキャラだと意識してしまったら、ノベルゲームを楽しめないわよ」はその通りなんだけど、「だったらメタいこと言うなよ!」って話だ。
最初からメタフィクション全開じゃなかったらもう少し思うところは変わってた気がするけど、実際その世界を体験していないからわからないね。

メタフィクション部分は刺さらなかったとはいえ、改めて言うと価格に対しては十分満足な体験ができた。キャラクターは魅力的だったし、たまに開発者の性癖を感じるこだわりが見えてよかったと思う。
画面暗転するときにリリスの目だけ最後まで残る描写はゾクッと感じるものがあり、この描写方法いいなって印象に残った。

存在/しないあなた、と私

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