2025年リリースされたゲームの中から優れたゲームが各部門で表彰される”The Game Awards 2025″の結果について、去年受賞作と見比べながら感想など書いてみる。
Best Performance(キャラクターの演技やボイス、演出を魅せた俳優や声優に贈られる賞)など個人が対象の部門賞については詳しくないのでスルーする。
【去年の記事】The Game Awards 2024の受賞タイトルと発表されたものについて思うこと
ゲームオブザイヤー・部門賞
まずはゲームオブザイヤーを含むTGA史上最多部門を受賞したClair Obscur: Expedition 33。
ベースはターン制RPGながら既存のゲームシステムを洗練した出来栄えは圧巻で、その中でも演出面は未だに覚えてるほど印象に残ってる。ボス戦の戦闘入り演出はずっとカッコよかったなぁ。
【関連記事】Clair Obscur: Expedition 33 クリア後感想
| 部門賞 | 2025年受賞作 | 2024年受賞作 |
|---|---|---|
| Game of the Year | Clair Obscur: Expedition 33 | ASTRO BOT |
| Best Game Direction | Clair Obscur: Expedition 33 | ASTRO BOT |
| Best Art Direction | Clair Obscur: Expedition 33 | メタファー:リファンタジオ |
| Best Narrative | Clair Obscur: Expedition 33 | メタファー:リファンタジオ |
| Best Score and Music | Clair Obscur: Expedition 33 | FINAL FANTASY VII REBIRTH |
| Best Debut Indie Game | Clair Obscur: Expedition 33 | Balatro |
| Best Independent Game | Clair Obscur: Expedition 33 | Balatro |
| Best RPG | Clair Obscur: Expedition 33 | メタファー:リファンタジオ |
【Best Game Direction】
ゲームのビジョンや革新的なディレクション及びデザインに授与される。例年通りゲームオブザイヤーとセットになっている部門賞。
革新性という言葉の意味が便利すぎて基準がわかりにくい部門賞だけども、先に書いたように既存のゲームシステムをより洗練させた作品と捉えるならClair Obscur: Expedition 33は納得の受賞。
【Best Art Direction】
【Best Narrative】
Art Directionが芸術的なデザイン及びアニメーションにおける優れた創造性と技術的業績に、Narrativeが物語の深さや演出、ストーリーテリングの巧さが評価されたタイトルに贈られる部門賞。
どちらも芸術性や演出という『魅せ方』の評価で最近はセット受賞になりがち。個人的にはClair Obscur: Expedition 33の最も評価される点だと思う。
【Best Score and Music】
オリジナル楽曲、サウンドトラックなどの優れた音楽。
Art Direction・Narrativeと同じく演出面に関わるところで、ここぞという場面を最大限に盛り上げてくれる楽曲の使い方を含めた演出が最高だった。
【Best Independent】
【Best Debut Indie Game】
大手パブリッシャーに頼らずインディーデベロッパーによる品質と独自性が高いタイトルに贈られるBest Independentと、新規スタジオが制作したデビュータイトルとして評価されるBest Debut Indie。
新規スタジオがBest Independentを受賞した時点でBest Debut Indieがセットになるのは必然といえる。
去年のBalatroと比べたら見た目が豪華すぎて、これをインディーゲームと呼ばれてしまったら敷居が高いように見えてしまう。開発費が1000万ドル(約15億6000万円)未満というインタビュー記事があって、あの出来ではたしかに凄いのだろうけど、インディーゲームの規模といえるかは迷うところだ。いまだ曖昧な「インディーゲームってなんだ?」という話は今後決着するときは来るのだろうか。
【関連記事】インディーゲームの定義はクレジットのボリュームにしよう
【Best RPG】
まさかのターン制RPGがゲームオブザイヤーを受賞するとは。
といっても、去年のBest RPGはメタファー:リファンタジオだし、その前の年のバルダーズ・ゲート3もターン制だ。古臭いと言われることもあるターン制RPGだけど実は評価されているよね。
| 部門賞 | 2025年受賞作 | 2024年受賞作 |
|---|---|---|
| Best Action/Adventure | ホロウナイト:シルクソング | ASTRO BOT |
戦闘や移動+パズル解きなどアクションとアドベンチャーの優れた組み合わせのタイトルが対象。
メトロイドヴァニアというインディーゲームの一大ジャンルといえる中で名を挙げたシリーズの続編でなお高い評価を維持したのは素晴らしい。シリーズ未プレイだし、いつかやらねば。
| 部門賞 | 2025年受賞作 | 2024年受賞作 |
|---|---|---|
| Best Action | HADES II | 黒神話:悟空 |
ホロウナイトと同じく高評価インディーゲームの続編で結果を出したHADES II。
個人的には初代より遊びやすくてたっぷり遊べたからBest Actionは納得の結果。
【関連記事】HADES II クリア後感想
| 部門賞 | 2025年受賞作 | 2024年受賞作 |
|---|---|---|
| Best Fighting Game | 餓狼伝説 City of the Wolves | 鉄拳8 |
2023年にストリートファイター、2024年に鉄拳、2025年に餓狼伝説と歴史ある日本の格闘ゲームタイトルがリレーしている。2026年は新作バーチャファイターで決まりか?
| 部門賞 | 2025年受賞作 | 2024年受賞作 |
|---|---|---|
| Best Sim/Strategy | ファイナルファンタジータクティクス – イヴァリース クロニクルズ | Frostpunk 2 |
この部門はシドマイヤーズ シヴィライゼーションVIIだろうと思ってたから意外な結果。いつも通り(?)徐々にアップデートとDLCで良くなっていくパターンなのかな。
FFタクティクスは原作を結構やり込んだからもういいかなとスルーしてたけど、そんなに評価されているならやりたくなってきた。
| 部門賞 | 2025年受賞作 | 2024年受賞作 |
|---|---|---|
| Best Sports/Racing | マリオカート ワールド | EA Sports FC 25 |
マリオカート8のロングヒットを見た後だと現状大人しいスタートに見えるマリオカート ワールド。Switch2の供給が行き渡ったときにまた盛り上がるか?
| 部門賞 | 2025年受賞作 | 2024年受賞作 |
|---|---|---|
| Best Family Game | ドンキーコング バナンザ | ASTRO BOT |
ドンキーコングって結構自由に挑戦的なことがしやすい印象。実際おもしろそうなゲームではあったけど、ファミリーゲームだったんだ。
| 部門賞 | 2025年受賞作 | 2024年受賞作 |
|---|---|---|
| Best Multiplayer | ARC Raiders | HELLDIVERS 2 |
優れたオンラインマルチのゲームプレイ体験とデザインのタイトルが対象。
受賞したのは最近話題の脱出系ルートシューターARC Raidersで、その影響なのか類似ジャンルのThe Cycle: Frontier記事のアクセス数が増えている。既にサービス終了しているのにだ。
The Cycle: Frontierの後継作となるなら興味あるけど、このゲーム性で強制ワイプがないから入るタイミングが難しいな。
【関連記事】サービス終了が決定したThe Cycle: Frontierについて思うこと
| 部門賞 | 2025年受賞作 | 2024年受賞作 |
|---|---|---|
| Best Mobile Game | ウマ娘 プリティーダービー | Balatro |
モバイルデバイスでプレイ可能なタイトルで優れたタイトルが対象。
ウマ娘の受賞は今年のSteam版リリースタイミングに併せて英語版がリリースされた影響だと思われる。日本の競馬・名馬のことを知らない人でも楽しめてるってことなんだろうか。
| 部門賞 | 2025年受賞作 | 2024年受賞作 |
|---|---|---|
| Best Ongoing Game | No Man’s Sky | HELLDIVERS 2 |
継続的にコンテンツ更新・サービスをしているタイトルに贈られる部門賞。
発売から9年経ってるのにまるで1年目みたいな熱気でアップデートをしているし、プレイヤー数も過去最多を更新するとかいうNo Man’s Skyにふさわしい受賞。
| 部門賞 | 2025年受賞作 | 2024年受賞作 |
|---|---|---|
| Best Community Support | バルダーズ・ゲート3 | バルダーズ・ゲート3 |
ゲーム開発者がプレイヤーとの交流やサポートに優れた活動をしているタイトルに贈られる部門賞。
リリースから3年連続となるバルダーズ・ゲート3の受賞で、どんな活動をしてたらそうなるのか気になるところだけど、国内情報だけではきちんと追えないのが残念。
DIVINITYシリーズの新作発表されたし、中断していたDivinity: Original Sin 2やらないと。
| 部門賞 | 2025年受賞作 | 2024年受賞作 |
|---|---|---|
| Best Audio Design | バトルフィールド6 | Senua’s Saga: Hellblade II |
ゲーム内オーディオとサウンドデザインが対象で戦争モノFPSならたしかに重要な要素だと思う。
バトルフィールド6は前作2042のスタート時と比べたらかなり好調のように見える。今回スルーしてしまったけど、最終的には2042も楽しめた方だから買って損はないのだろうけど、初動に乗り遅れたら入り辛いね。
| 部門賞 | 2025年受賞作 | 2024年受賞作 |
|---|---|---|
| Best Adaptation | THE LAST OF US シーズン2 | Fallout |
ゲーム原作を他のエンターテイメント媒体(ドラマや映画)で表現したものが対象。
ゲームのドラマ化は興味があるけど、大体長期シーズンで次シーズンまで長く間が空くことが多くて、一気見したい性質だから見るタイミングが難しい。
個人的に見てたやつだとFalloutはシーズン2が間もなくで、ウィッチャーはシーズン1以降見れていないから新作ウィッチャー前には見ておきたいかな。
| 部門賞 | 2025年受賞作 | 2024年受賞作 |
|---|---|---|
| Games For Impact | South of Midnight | Neva |
| Innovation in Accessibility | DOOM: The Dark Ages | プリンス オブ ペルシャ 失われた王冠 |
社会的な問題やテーマに対するメッセージを持って意識を高めるようなタイトルが対象のGames For Impactと、視覚障害や聴覚障害など身体的制限を持つプレイヤーにも楽しめる機能や技術が導入されたタイトルが対象のInnovation in Accessibility。こればっかりはやってみないとわからないやつ。
| 部門賞 | 2025年受賞作 | 2024年受賞作 |
|---|---|---|
| Most Anticipated Game | グランド・セフト・オートVI | グランド・セフト・オートVI |
今後発売される予定のゲームの中で最も期待されているタイトルが対象。
早くリリースしてくれないとずっとグランド・セフト・オートVIが受賞し続けてしまう。
| 部門賞 | 2025年受賞作 | 2024年受賞作 |
|---|---|---|
| PLAYERS’ VOICE | 鳴潮 | 黒神話:悟空 |
ユーザー投票型の部門賞。去年に続き大国パワーを感じるところではあるけど、何かしら制限付けたりすると意味のない部門なんだよね。
今年はゲームオブザイヤーのノミネートにClair Obscur: Expedition 33、Hades II、Hollow Knight: Silksongが並ぶインディーゲームの年だったのが印象深い。
大手メーカータイトルが不作だったとまでは思わないけど、DEATH STRANDING 2やGhost of Yōtei、モンスターハンターワイルズ、ELDEN RING NIGHTREIGNなど続編やシリーズ、派生作品が中心で新規IPはあまり目立ってなかった気がする。安定した売り上げを求めた結果なのかもしれないけど、新規IPにも挑戦してほしいと思う。興味惹かれるものを見せてくれたら買うから!


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