東京クロノス-クリア後感想-

全ルート攻略したので感想や考察の振り返り。既プレイ前提のネタバレ話ばかりなので注意。
1周目クリア時点の感想や考察は【前記事:VRミステリーADV東京クロノス:CHAPTER5~7プレイメモ】で。

クロノス世界

・強い願いによって発生する世界
1周目は凛が被害者で、犯人である二階堂への報復のために作り出した世界という方向で進んでいたけど、そのとき感じる腑に落ちなかった点を2周目はしっかり回収してくれた。

2周目の終盤で二階堂を助けられなかった皆の後悔や無念によってクロノス世界は発生したことがわかる。二階堂が納得した上で悪者として行動していたとはいえ、それでも幼馴染の皆とまた一緒にいたかったという思いはあったはずだから、二階堂を含めた幼馴染全員の願いによってこのクロノス世界は発生したと思うな。

・被害者と犯人
二階堂も凛も自分を被害者と思っていないだろうし、犯人が皆という答えも響介たちの後悔が故のものだから本当の意味で被害者も犯人もいないのかもしれない。

なんならイジメをしていた学校の生徒と二階堂の母親が犯人でいいよね。母親の件はエンディング後も二階堂が抱える問題ではある。

・消える条件
共通点は『記憶を取り戻すこと』で、その記憶を取り戻すための条件は『二階堂を助けられなかった要因の克服』にある。各キャラクターの要因は後で触れるとして、皆の後悔で発生したクロノス世界という設定からの納得感がすごく良い。2周目で記憶を取り戻したときのセリフが少し変わってて、皆が二階堂に謝ってるんだよね。最終的に消える条件は二階堂に謝ることだったのかな。

・分岐
2周目から選択肢が追加されるけど、1周目と異なる展開になる選択肢を選ぶとバッドエンドで1周目と同じ展開になる選択肢を選ぶと正解になるのはおもしろい仕掛けだ。バッドエンドといっても各キャラクターの二階堂を助けられなかった理由の深掘りだから意味のある内容になっている。

・2周目はループ世界?
クロノス世界で二階堂が自殺を図ったら時間が戻ったと言ってたから、同じくクリア条件を満たしていない1周目の結末のあと、巻き戻ってループしたと考えることができる。
ただ、そのまま巻き戻したわけじゃなく2周目はクリアへ導こうとするクロノス世界の意思か、櫻井凛が桃野夕の身体を借りて参戦することになる。

キャラクター

・東国ユリア
幼馴染より父親に認めてもらうことを優先して物理に没頭し、最初にグループから離れていた東国ユリア。
それでも凛の事故後、東国が一人にならないよう二階堂は傍にいるようにしていたから、イジメられている二階堂とは最も近い位置にいたはずで、東国の後悔は特に大きかったんじゃないかな。
幼馴染たちの傍にいることは父親の願いでもあるから、単純にどちらかを選ばせるような選択肢じゃないのがよかったね。

実は初日にロウが接触していて、ロウが持ち込んでいる記憶に関する情報の代わりに東国が考えるクロノス世界のことを話していたとはね。ロウがクロノス世界について何でも知ってる風に見えたのはプレイヤー目線でかなりのミスリードだった。

・蔭山哲
勇気を出すことに怯えて神谷の影に隠れていた蔭山哲。神谷が二階堂を助けないことを選んだことで蔭山も助ける行動が出来なかった。
勇気を出せるきっかけになったのはロウの存在があったからかな? 周りをよく見ている蔭山は、神谷とロウとの間に何かあったことを察したんだろうね。響介が東国のノートを隠したとき、響介を疑わずに何か理由があるに違いないと考える辺り根本から優しすぎるんだよ。

・桃野夕
響介への恋心からくる二階堂への嫉妬により助けなかった桃野夕。
唯一響介とはずっと一緒にいたようだけど、二階堂がイジメられている所を傍観している響介を見ながら何を思ったんだろうな。絶対にそんな姿見たくなかっただろうに。

響介が消えないよう監視するためではあるが部屋を盗撮したり、盗撮したカメラを提出すれば響介の疑いが晴れることがわかっても傍にいられることを優先してそのままにしてる所はかなりヤバイ行動。
2周目は凛に身体を貸してるから終盤いいポジションにいる雰囲気があるけど、実際のところ一番危ない奴かもしれない。

・両角愛
自分の信じる正義を体現する神谷を妄信していた両角愛。蔭山と同じく神谷が二階堂を助けないことを選んだことで助ける行動をしなかった。
両角は神谷への依存度が高すぎて他の幼馴染と比べたら二階堂と直接の絡みは薄目に感じるね。でも二階堂が自殺に至ったことは信じる正義を揺るがされたことだろう。記憶を取り戻したときの二階堂へ謝る姿はそれほど迫真だった。

・神谷才(神谷咲恵)
政治家の息子である神谷才として生き、多数決の原則に従い二階堂を助けなかった神谷才もとい神谷咲恵。
クロノス世界では才の人格が記憶と一緒に失われていたから二階堂たちはいつもの才と違うと違和感を持ったし、蔭山と両角は神谷才の依存から抜け出せたのかもね。

両角が消えたことに動揺して咲恵の気持ちが優先されて響介にヒントを与えようと行動したことで記憶を取り戻した。ただ、これって砕けるって消え方がショッキング過ぎて話が違う!とロウに反抗した形になるけど、予めロウが消え方について詳細を話してたらこうはならなかったんだろうか。

・街小路颯太
人を助けることに真っすぐで一生懸命な性格だけど、二階堂に助けを拒否されたことにより一方的な助けは迷惑になると母親に植え付けられたトラウマが発症して助けられなかった街小路颯太。
あの二階堂のことは一方的な気持ちでもいいから助けるべきだったけど、母親の言ってることは一概には間違ってないから難しいね。

・ロウ
響介の悪感情の別人格。二階堂が凛を殺したことを否定しなかった故に生まれてしまったとも考えられるのが悲しい話だ。少しは二階堂に対する同情とかなかったか振り返ってみても響介と一つになるまでそんな素振りは一切ない。凛が死んだこととは関係がない神谷と蔭山を邪魔だと感じたら躊躇いなく刺してしまうし純粋な悪感情なんだろうな。

実はクロノス世界については何も知らなくて、東国と神谷から得たクロノス世界の情報を頼りにしているのは騙されたよ。

両角回想で屋上遊園地を「9人目のメンバー」と言っていたのを見て、ロウは屋上遊園地の擬人化された姿!? と一瞬考えたけど、二階堂に感謝こそすれここまで殺意を抱く理由がなさすぎてその考えはすぐに一蹴した。

・二階堂華怜
クロノス世界の提示している被害者が二階堂で、最終的に二階堂を救う物語になることは一周目クリアした時点の考察の範囲だったけど、2周目で展開される幼馴染たちとの回想で明らかになる二階堂の優しさと不器用さが描写されていくことでプレイヤー視点でも二階堂を救いたいという気持ちにさせてくれた。奇跡でもなんでもいいから二階堂が救われる結末で本当によかったと思う。

自身がイジメられることで元気になっていく響介を確認している場面は心にくるものがあった。あそこ二階堂の一人称視点である意味よかった。響介視点とかでイジメられている二階堂見せられたらきつかったよ。

・櫻井響介
クロノス世界で凛のことを忘れてる間にリーダーシップの欠片もないことから、幼馴染グループのリーダーとしての響介は凛がいてこその姿だったことがわかる。
記憶を取り戻す前に響介がロウに向けて言った「お前が手を差し伸べてさえいれば、二階堂は死なずにすんだ!」はそのまんま響介に返ってくるんだよね。二階堂の目的が自分が悪となってでも響介に生きる気力を与えることだから、仮に他の幼馴染たちが二階堂を助けようとしても、街小路のように拒否されていたはずで、結局のところ響介が二階堂を救ってやるしかなかった。

・櫻井凛
2周目で桃野夕の身体を借りて参加。
2周目で桃野がカメラを持っていなかったり、随所の反応が1周目と違っていたり、1周目にはあったバッドエンド分岐が存在しないのはそういう理由だったわけだ。

最初に全部話してしまえば・・・って思わないでもないけど、響介が自分の力で痛みを受け入れてロウと一つになる過程が必要だったことをわかっていたんだろう。

あとがき

VR専用ゲームではあるけど、非VRとしても出せそうなのに出してないのはVRへのこだわりなのかな。ストーリーは凄くよかったからもったいないと思わないでもないけど、開発のMyDearestがその後もVR専用ゲーム『ALTDEUS: Beyond Chronos』を作っていることからそういうことなのかもね。こっちも購入済みだからタイミングを見てやりたい。

最新作の『DYSCHRONIA: Chronos Alternate』は非VRでもいけるようになってるから、これを機に過去作も非VRで遊べるようになってもっと多くの人に遊んでもらえるようになったらいいな。DYSCHRONIAはイザナギゲームズとの共同開発でニュース記事を見る限りイザナギゲームズ主体っぽいから事情は違うかもしれないけどね。

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